ボイトレの勉強をしていると、いろんな専門用語を耳にします
チェストボイス、ミックスボイス、ヘッドボイス、ミドルボイス、シャウト、鼻腔共鳴・・・などなど
こういう用語は人によって定義があいまいです
ボイトレ界は誤解を招きやすい用語が多いんですが、今日はその中でも特に注意するべき言葉をご説明します
それはエッジボイスです
これ、要注意の言葉です。人によって定義があいまいです
声にエッジを出す方法は、私が知る限り6種類の方法があります(下の3つはほとんど使わない)
- ボーカルフライ(地声から完全な声帯閉鎖までの途中)
- シャウト(地声から裏声に変わる途中)
- デスボイス(仮声帯を振動させる)
- ハイラリで高音を強調
- 過度な鼻腔共鳴を起こす
- 舌を上顎に近づける(「い」と発音するような形にする)
エッジボイスと言われたとき、この中のどれなんだろう?と思うんです
まぁ、だいたいの人はボーカルフライと同じ意味で使ってるんですが、このボーカルフライとシャウトを混同してる人が多いです
ボーカルフライは声帯閉鎖がかなり強い状態
シャウトは地声よりも声帯閉鎖が弱い状態です
似たような声が出てても、2つの状態は全く違います
で、「ミックスボイス習得にはエッジボイスの練習が良いよ」と言う人がいるのですが、エッジボイス=ボーカルフライだとしたら、ほとんどミックスボイスには関係ありません
声帯閉鎖のコントロールでも説明しましたが、ボーカルフライは地声よりも声帯閉鎖を強めて、息が止まる寸前まで閉鎖させている状態です
ミックスボイスは地声から声帯閉鎖を弱めて裏声に移行することです
つまりボーカルフライとは逆のことをやってる訳です
例えば、声帯閉鎖が弱くて地声が弱々しい人にボーカルフライをやらせるなら分かる、スゲーよく分かる・・・だが普通に地声で歌ってる人にやらせるのは、ど~いうことだぁ~?
ひどい人になると「ボーカルフライの状態で思いっきり声を出せ、それがミックスボイスへの近道だ」なんて教えてる人もいます。こんな事やったら喉を壊します
たぶんハイトーン=声帯閉鎖だと思ってるんでしょうね(><)
違います、ハイトーンは声帯のストレッチ(伸展)で出します
で、ストレッチするにつれて声帯閉鎖を少しずつ弱めていくんです。強めちゃダメ
詳しくはこちらを読んでください→良いハイトーン悪いハイトーン
ちなみにシャウトも基本は地声と裏声の中間で行うので、ボーカルフライのような声帯閉鎖が強い状態にはなりません(まぁ人によってシャウトのやり方も違うのですが)
さらに言えば、デスボイスでもボーカルフライの状態はあまり使いません
「デスボイス=ボーカルフライ」が基本と思ってる人が多いですが、違います
簡単に説明すると、デスボイスの時はファルセット並みに息を吐きます
なぜならベルヌーイ効果で仮声帯を寄せるためです
声帯がボーカルフライの状態で閉鎖していると、そもそも息を吐くことができません
「声帯は開いて、仮声帯は寄せる」これがデスボイスの最も重要な点です
ただし、デスボイスの感覚を掴むためにボーカルフライを利用する事はあります
これは今後また詳しく動画付きでご説明しようと思います→載せました
とにかく、エッジボイスという言葉は誤解を生むので、私はなるべく使わないようにしてます