声帯閉鎖のコントロール(概要)

声帯閉鎖の解説図です
大きく画像表示する場合は→こちら

真ん中の「白い部分」が声帯です
左から右にいくほど声帯が開いて、息が漏れやすくなります
絵は分かりやすくするため簡潔にしてます。記事の下に載せてる動画がリアルな声帯の動きです

←左から解説していきます
・1番左は「息を止めている状態」です。声帯は完全に閉じています
重い物を持ち上げるときや、ウンコをするために腹圧を上げている時の状態です
声帯がギュッとくっついて、肺の中の空気を漏れないようにします

・左から2番目は、ボーカルフライ(呪怨ボイス)を出すときの状態です
閉鎖した声帯から空気がプツプツとわずかに漏れている状態です
ボーカルフライについては今後また解説していきます

・3番目は地声で、普通の会話の状態です
肺から空気が出て声帯の間を通り、声帯が大きく振動します
ボリュームの大きい声を出せます

・4番目は裏声です。声帯が伸ばされて、声帯の表面だけが振動しています
ボリュームは落ちますが、振動スピードが増えるので高い声が出しやすくなります

・5番目はファルセットです。声帯の閉鎖がかなり弱くなって空気がかなり漏れます
図書館でヒソヒソと話すときの状態です
優しく静かに歌いたいときに使います

・1番右は呼吸をする時です。声帯はまったく振動しません

声帯の閉鎖が強くなれば、息は肺から出にくくなります
声帯の閉鎖が弱くなれば、息は肺から出やすくなります

歌で使うのは主に地声~裏声~ファルセットまでです
ボーカルフライはめったに使いません
地声と裏声の間に、ミックスボイス・ヘッドボイス・シャウトがあります

声帯は「閉じる・開く」の他に、「縮む・伸びる」の動きもあります
高い声を出すとき、声帯は筋肉によって引っ張られて伸ばされます
伸ばされた時に、声帯の閉鎖が強い「地声」のままだと、スムーズに高い声に移行することができません

詳しくはこちらの「なぜ高い声が出るのか?良いハイトーンと悪いハイトーン」を読んでください

高い声に移行するときは、少しずつ声帯の閉鎖を弱める必要があります
しかし、ファルセット状態まで弱めてしまうと声がスカスカになりますので、地声と裏声の間で練習します
地声から裏声はスイッチのようにON/OFFで切り替わるわけではなく、その中間の段階がたくさん存在します。コレがミックボイスと呼ばれます
地声に近いミックスもあれば、裏声に近いミックスもあるわけです

声帯は指先くらいの大きさしかありませんので、コントロールはミリ単位で超緻密です
例えて言うなら、指でアリンコを潰さないように、つまむ感じです

なので、ボイトレは喉の筋肉や声帯のパワーを鍛えるのではなく、コントロールの方法を身につけるという事です(時には筋力を使う場面もありますが)
具体的な練習方法は→こちら

声帯の動画:↓2:45くらいから本物の声帯の動きが見られます
裏声だと声帯は少ししか振動せず、地声は大きく振動してるのが分かると思います

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