前回、アブローラーで前鋸筋を痛めた話をしました
筋トレもボイトレも、ケガをしたり声帯を痛めたりとトラブルが起こる場合があります
原因としては、無理な重量、無理な音程、無理な練習ペース、悪いフォーム・・・などなど
ケガが無いのが一番ですが、いざケガをしたらどうするか?
ざっくり言えば、
休む → 痛みが出ない範囲で動く → 少しずつ元の運動レベルに上げる
です
この「休む期間」というのも、ケガの程度で変わるから何とも言えません
軽いギックリ腰なら1日くらいで歩けるようになるし、ひどい肉離れなら何週間もかかるし、太い骨が折れたら1~2ヶ月かかります(手術しない場合)
かといって、その休んでる間「ずっと寝てろ」という訳ではありません
ケガした部位に負担をかけなければ、他の部位は動かしたほうが良いです
最初の急性の痛みが落ち着いたら、ケガの部位も軽く動かしたほうが治りは良くなります(ただし、腱断裂や骨折など、一定期間ずっと患部を固定しなきゃいけないケガもある)
ギックリ腰の例で説明します
急激な痛みが出た場合、とりあえず楽な姿勢で氷枕などで患部を冷やしましょう
最初は安静第一ですが、もし膝や股関節を動かして痛みが無いなら、寝ながら動かせる部分は動かしてストレッチしておきます
痛みが軽くなるにつれて、膝→股関節→腰と、動かせる範囲を大きくしていきます
歩いて痛くないなら、無理ない範囲で歩いても構いません
ギックリの痛みは「患部のダメージによる痛み」と「痛みによって起こる筋肉の緊張」があります
ずっと寝たままだと、患部のダメージは軽くなっても、筋肉の緊張の痛みで動きが悪くなります(長時間の座っている姿勢はもっと悪い)
なので、患部のダメージに影響がない範囲で動いたほうが治りが早くなります
(ギックリ腰よりひどいヘルニアや分離症などは、また別の対策が必要です)
ただし、「動いたほうが治りが早い」と言って、いきなり高重量で筋トレするのは論外です
治りきらないうちに又ケガをして、負のスパイラルになります
軽い負荷から始めて、少しずつ重量を上げて様子を見るようにしましょう
ちなみに、こんな実験結果があります
週3回のトレーニングを休まずに続けたグループA
週3回のトレーニングを2週間やったら、2週間休むグループB
成長ペースを比較したところ、差がなかったそうです
まぁでも、2~3週間休むと重量が上がらなくなる場合もあります
これは筋肉が急激に衰えるのではなく、神経系の問題(バーベルの上げ方を忘れている)もあると思います
もし筋肉が衰えたとしても、ケガさえ治れば元のレベルまで戻すのは短期間で可能です
ボイトレの場合は、休んでも「歌う技術」が消えるわけじゃないので、コンディションが悪ければ休むのが一番です
声帯のダメージは取り返しがつかなくなる場合もありますからね
「プロスペクト理論」というのを聞いたことがありますか?
株などの投資の行動心理学です
質問1(どっちを選びますか?)
A、100%の確率で100万円もらえる
B、50%の確率で200万円もらえる
質問2(どっちを選びますか?)
A、100%の確率で100万円損する
B、50%の確率で200万円損する、残り50%の確率で損しない
という質問を出すと、質問1ではAの回答が多く、質問2ではBの回答が多いそうです
これは「利益は確実に確定させたい。でも損は確定させたくない」という心理らしいです
株や為替で損をした時に、傷口が浅いうちに清算すれば良いのですが、「もしかしたら回復するかも」という希望にすがり、どんどん傷口が広がるパターンです
これを筋トレのケガに当てはめると、
質問2
A、100%の確率で1ヶ月トレーニングが遅れる
B、50%の確率で2ヶ月トレーニングが遅れる、残り50%は遅れない
みたいな感じです
ケガをしてしまったら、ある程度の遅れはしょうがない、ということです
かといって「全く筋トレするな」という訳ではなく、痛みの出ない種目を行ったり、軽い重量から慣らしていけば良いのです
ちなみに私も無理に筋トレしたせいで、痛みが再発してます(><)