今回のまとめ
・タンパク質も摂りすぎれば太る
・腸→血液まで脂肪が運ばれるルートにインスリンは関係ない
・血液に入った脂肪は、カロリー消費しない限り消えることはない
・糖質100kcalも脂肪100kcalも同じエネルギー
・血液中の脂肪を皮下&内臓脂肪にするのがインスリンだが、糖質制限してても出る
・赤血球と肝臓はグリコーゲン(糖)じゃないと動けない
最近は糖質制限&筋肉ブームで、コンビニでもタンパク質が多い食品が人気のようです
ローソンで「ゆで卵」をカッコ良いパッケージに入れて「you-de TAMA-GO」という商品名で、高めの値段で売り出すらしいです(笑)
以前私が書いた「パッケージだけ変えて中身が変わらない物を高く売る」の常套手段ですね
しかし、いくらタンパク質を摂ろうと、高いサプリメントを飲もうと、ちゃんと筋トレや運動をしないと身体は変わりません
ゆで卵を食べたぐらいでマッチョにはなれませんし、タンパク質も摂りすぎれば脂肪に変わります
糖質を多く摂るよりは、タンパク質を多く摂ったほうが健康には良いです
(まぁ限度はあります。アンモニア分解できない病気の人は危険)
問題は、タンパク質を多く摂る過程で脂肪も多く摂ってしまうケースです
糖質制限してても、脂肪を摂れば血液中に入ってきます
脂肪の消化・吸収の話をします
脂肪は分子が大きいので、糖質やタンパク質とは違うルートで身体に吸収されます
糖質・タンパク質は小腸→肝臓→血液です
脂肪は小腸→リンパ管→鎖骨下静脈→心臓→血液です
(一部の小さい脂肪酸は、糖質・タンパク質と一緒に肝臓に行く)
「糖質制限してるとインスリンが出ないから太らない」と言いますが、インスリンは血液に存在するホルモンなので、小腸→リンパ管→心臓までの脂肪運搬ルートには関係ないです
なので、糖質制限しても脂肪は腸で吸収されて血液中まで来ます
(ただし、腸でどれぐらいの脂肪が吸収されるかは個人差があって、食物繊維が多い食事だと吸収率が下がるらしい?)
この血液にやってきた脂肪はどこに行くのでしょうか?
1、体脂肪や内臓脂肪になる
2、細胞膜や胆汁などの材料になる
3、血液中に溜まっていく
4、エネルギーとして消費され、水とCO2に分解される
ちなみに、尿として脂肪が外に出ることはありません
人間に必要な栄養素は腎臓で全部再吸収されるからです
(糖尿病で腎臓がやられると、栄養が尿に出てしまう場合もある)
つまり、健康な人間であれば、何もしないで脂肪がフッと身体から消えたり、蒸発するような事はありません
「1」の作用にインスリンが関与します
それがインスリンが「デブ・ホルモン」と言われる理由です
食べ物が腸に入るとインクレチンというホルモンが出て、それを感知した膵臓がインスリンを出します
血糖値が高ければ沢山インスリンが出ます
糖質制限しててもインスリンは完全に止まる訳ではなく、食事のたびにそれなりの量が放出されます
(実験によっては、血糖値が低くてもインスリンが多く出る場合があるらしい。参考→AthleteBody.jp)
なので、オーバーカロリーの状態なら、糖質制限をしてもインスリンによって体脂肪や内臓脂肪が蓄積すると思います
「2」コレステロールは細胞膜や胆汁の材料になります
食事から摂るコレステロール量が減ると、そのぶん肝臓がコレステロールを生産するらしいです
かといって「いくら脂肪を摂っても大丈夫」と考えるのは危険だと思います
人間の身体って、PHとか浸透圧が一定バランスを保っているから正常に機能するんであって、何かが突出して増えるってのは良くないはずです
「3」脂肪を多く摂れば、そのぶん血液中の中性脂肪が増加します
中性脂肪は当然カロリーがあるので、運動や基礎代謝で消費しない限り消えません
「4」エネルギー収支がマイナスならば、脂肪はエネルギーとして減っていきます
糖質で1000カロリー摂ろうと、脂肪で1000カロリー摂ろうと、身体に1000カロリーが蓄積するのは同じです
それがグリコーゲン(糖)としてなのか?脂肪としてなのか?
どっちにしても体脂肪が減らすには、その1000カロリーを使い切る必要があります
(ちなみに身体に蓄えられるグリコーゲン量は、たしか1500カロリーほどです)
糖質制限すると、血糖値が低くなってケトーシス回路が回って脂肪が燃焼しやすくなるそうですが、それでも「1000カロリー使い切る」という条件は変わらないはず
エネルギー保存の法則は人体にも当てはまるので、体内に入った脂肪のエネルギーが何もしないで消えるわけじゃありません
何もしないで消えるとしたら病的な状態です(糖尿病で栄養が尿に漏れてるか、甲状腺機能亢進などで基礎代謝が亢進しているか)
追記:赤血球と肝臓は糖質しかエネルギー源にできないので、血中にグリコーゲンが無いならタンパク質を分解して糖を作る必要があります。肝臓は基礎代謝の約20%を占め、骨格筋と同じくらいエネルギーを必要とします。
基礎代謝が1500kcalとすれば300kcalのグリコーゲンが必要になる計算。糖質を全く摂らない人は、どうなってるんだろう?(脳はケトン体で動くらしい)
糖質制限してる人は、タンパク質の分解を抑えるためにMTCオイルを摂取するらしいが、赤血球と肝臓が使うグリコーゲンが必要になるので、タンパク質がバンバン分解されそうな気がする。
結局のところ、ダイエットはカロリー制限が必要だと思います
ちなみに私は糖質制限に反対してる訳ではなく、「炭水化物よりタンパク質を摂ろう」というブームは良いと思います。糖尿病患者が増えてますからね
ただし、「糖質制限すれば脂肪をたくさん摂っても痩せる」という考えには疑問を感じております
私は玄米食なんですが、GI値でも体重変化は変わらないという実験結果があります
ただ、玄米は栄養分と食物繊維が多く、腹持ちが良いので愛用してます
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スポーツの体罰について考える
このご時世、さすがに体罰なんてのは減ってきてると思いますが、たま~にニュースで目にします。今日もネットのニュースで流れてました
いつも私が言ってることなんですが、「罰」は悪い事をした相手に行うものであって、スポーツでミスすることは悪いことなんでしょうか?
例えば私が誰かにボイトレを教えてて、「音を外した瞬間にブン殴る」と言っても、体罰で許されるんでしょうか?(笑)
犯罪者に対する刑罰は社会に必要だと思います。じゃないと社会秩序が乱れるんで
でも、「殴られる刑罰」って日本にありますかね?まぁ死刑はありますけど
子供が重大な悪事をはたらいて、親が殴るのはあると思いますが、それは罪を犯したからです
スポーツや勉強の指導って犯罪の現場ですか?
根性論だけで運動能力がアップする訳じゃないし、論理的で科学的なアプローチをしないのはコーチの怠慢です
佐山聡の格闘技道場の映像で、竹刀でバンバン生徒を叩きながら練習してる動画がありました
佐山氏は「アドレナリンを上げるため」「限界まで追い込むため」と言ってました
まぁ自分の道場なんだから、どんなやり方をするかは自由です。生徒も納得して通っているのでしょう
でもこれは「体罰」よりも「アドレナリン・コントロール法」とか「バイオレンス・モチベーション・ブースト(笑)」とか、特殊な指導として呼んだほうが良いと思います
別に生徒は罰を受けるような悪事を行ったわけじゃないですからね
(ちなみに佐山氏は生徒がケガしないように竹刀の強度を柔らかく調整してるらしい。できれば竹刀なんか無くても自分でモチベーションを上げていけ。と言っている)
ブン殴られるにしても「モチベーションをコレで上げるんだ!」と思うか、「ミスして殴られてしまった」と思うかで、全然気持ちは違うと思うんです
スポーツの現場の暴力は「ミスして殴られた」的なネガティブ感情がほとんどでしょう。むしろモチベーション下がります
アントニオ猪木の「闘魂注入ビンタ」は自ら好んで殴られてるので、体罰や暴力とは違います。
座禅で叩かれるのも、本人が希望してれば良いでしょうが、ムリヤリ座禅させられたらネガティブ感情しか生まれないと思います
つまり、「自分から望んで暴力的な刺激を求める」なら良いのですが、他人から強要されたらダメだよね。と
そもそもモチベーションを上げるのに、誰かに叩かれなきゃダメなの?と思います
竹刀で叩かれなきゃ頑張れない生徒なんて、強くなれないんじゃないでしょうか?
スポーツを辞めた後はどうなるんでしょうか?永遠に誰かにケツ叩いてもらうんでしょうか?
ちなみにジムで筋トレやるときは、だれも自分のケツを叩いてくれる人はいません
みんな自分で自分のケツ叩いて、限界までトレーニングやってます
「自分から進んでやる」のか?「誰かにやらされる」のか?
自発性がない人間は社会に出てもダメでしょう
体罰に耐えたとしても、それは誰かの命令に従うだけの指示待ち人間です
ダウンタウンの浜ちゃんが、体罰がバリバリ厳しい学校にいたらしいです
浜ちゃんは人生で成功していますね
じゃ、他の生徒は?みんな成功してるんですか?
成功した人間は「あのときの体罰のおかげで今の自分がある」と言ったりします
もちろん、そういう人間もいるでしょう
でもそれが、あなただけじゃなくて全員に当てはまるんですか?と聞きたい
体罰があろうと無かろうと、関係なく成功したんじゃないの?と
体罰に耐えたことを「無駄」と考えたくないから、無理に「良い体験だった」と置き換えてるように感じます
「あの学校は厳しい体罰指導してるからスポーツに強い」
っていうのも、その人の思い込みで根拠がありません
他の方法で、もっと良い結果が出るかもしれない訳です
(逆に根性論で良い結果が出る可能性もあるので、全否定はしません)
で、何が一番気に入らないかと言うと、体罰やってる指導者は、自分より弱い相手にしかやらないんです
要は弱いものイジメなんです。会社のパワハラも上から下ですね
会社の業績が悪いとする。会社のトップは社長だから社長の頑張りが一番大事
本当に体罰が効果あるなら、社員全員で社長をブン殴れば良いんです
社長のアドレナリンUP、モチベーションUPで業績UPですよ
体罰を使うなら、上にも下にも使いましょう
筋トレ・ダイエット日記
2年半くらい前から筋トレを始めました
筋トレ前 172cm 51kg
筋トレ後 172cm 68kg
先月からダイエット始めて今は66kgです
2年半で筋肉12kgくらい増えて、脂肪も5kgほど増えました
まぁ体脂肪は正確に測れないんで想像値です
増やそうと思えばもっと増やせたんですが、さすがに腹が出るのは嫌だったので、途中ダイエット期間を入れながらやりました
ちなみに、そんなにガツガツと食べてません。基本1日3食です
普通の食事にプロテイン追加して、夜寝る前はプロテインと軽い炭水化物です
まぁまぁ良いペースで筋肉が増えました
元々かなり痩せてて、太りにくい身体でした
20代前半に筋トレけっこうやってたんで、マッスルメモリー(昔の筋トレのレベルまですぐ戻ること)の助けもあると思います
でも何より筋トレは「正しいフォーム」と「正しい強度」が大事です。あと栄養と休息
その知識があるか無いかで、成長がかなり違います(ボイトレも一緒ですね)
筋トレのやり方は、詳しく書いてあるサイトが沢山あるので、ここで書くのは省略します
人にもよりますが、筋トレで理想の身体になるには年単位の時間がかかります
しかし、筋トレは始めた最初の3ヶ月が一番伸びます
理想体型は3年かかるかもしれませんが、最初の3ヶ月で明らかな違いを実感できます
一度効果を実感できたら、筋トレの意欲も持続すると思います
先に書いたように、筋トレは「正しいやり方」をするのが非常に大事です
そして初心者のうちが一番伸びます
「無理のない腕立て伏せから始めよう」という発想でも良いのですが、私の意見としては、ジムに行ってちゃんと習ったほうが一番良いと思います
なぜなら一番効率的で短期間で効果を出せるからです
それにジムには器具が全部揃ってます
筋トレは辛いです。苦痛です。だから効率的にパパッとやった方が良いわけです
ゴルフの練習なんかは楽しいでしょうから、ダラダラ楽しみながらやれば良い訳です
「辛いことは効率的に終わらせる」が筋トレを続けるコツです
腕立て伏せを一生懸命にやるのは効率が悪い方法です
辛くて効率が悪い・・・って嫌ですよね?
ちなみにボイトレの場合は、間違った方法を行うと全く練習になりません
むしろ悪化することもあるので注意です(><)
【ダイエット話】カロリーが高いものは何でおいしいか?
たまにはボイトレ以外のことも書きます
甘いお菓子や脂肪が多い食べ物は、なぜ美味しいのでしょうか?
単純な話ですが、それが身体にとって必要だからです
現代は食物がいくらでも手に入りますが、ほんの100年前まではギリギリの食生活だったわけです(アフリカや北朝鮮は今でも食糧難ですが)
人間はカロリーを取らないと生きていけません
細胞の活動にエネルギーが必要だからです。エネルギーが尽きると死にます
人間の身体にはグリコーゲン(糖)というエネルギーが肝臓や筋肉に蓄えられていますが、蓄えたグリコーゲンは1日で枯渇します
赤血球や肝臓はグリコーゲンなしでは活動できません
ところが人間は脂肪や筋肉を分解して、糖(エネルギー)を生み出すことができます
これのおかげで、水さえあれば理論上2~3ヶ月生きられるそうです(ただし相当に健康は害する)
脂肪って素晴らしいですよね
もしアナタがいま食糧難の時代にタイムスリップしたらどうしますか?
甘い物や脂身を食べて身体にエネルギーを蓄積するでしょう?
糖分や脂肪を悪者扱いするのは裕福な現代人の価値観であって、昔の時代には当てはまらないのです
生命の進化の歴史が何十億年とあって、その間に飢餓でも生き残れるように進化した人間・・・で、つい100年前くらい前まで食糧難だったわけです
そりゃ糖分や脂肪を身体が求めても当たり前です
DNAが優先することは、「生き残る」「戦う」「子孫を残す」これだけです
「健康に長生きする」なんて事は優先されません
糖尿病、高脂血症、痛風・・・そんなのDNAにはどうでもいいんです
「不健康になっても良いから、とにかく生きるために飢餓に備える」ってのがDNAに刻まれた命令です
だから「身体が求めるものは健康に良い」みたいな理論も間違ってます
恵まれた時代になっても、人間の身体は食糧難時代のままなんですね