今回はマイクの使い方と、私の偏見でのマイク批評を書きたいと思います
まずマイクを扱う注意点です。細かく言うとキリがないので大事な事だけ
1、マイクの頭を叩かない(ボンッと低音が入る)
2、スピーカーに向けない(ハウリングする)
3、口に真っ直ぐ向ける(ズレると音を拾いにくい)
4、グリル(頭の部分)を塞がない(塞ぐとハウリングする)
5、マイクからケーブルを抜く場合は、カチッていう部分を押しながら抜く
よく見かけるのが4番の、グリルを手で塞いで持ってる人です
マイクの頭に触らず、胴体の部分を持つようにしましょう
5番。マイクからケーブルを抜くときは、下の写真の「脱落防止の留め金」の部分を押しながら抜きましょう。ココを押さないで力いっぱいケーブルを引っ張っている人がたまにいますが、ケーブルやマイクを破損します
マイクと口の距離は、人にもよるんですが間隔は指3本分くらい
「握りこぶし1個ぶんの間隔」とか言う人もいますが、それだと音が拾いにくくなると思います
声量の無い人や、声が細い人は、なるべくマイクと近づきましょう
かといって、あまりくっつけると息の音が入ってくるので注意です
スタジオやライブでは、自分のマイクを持ち込んだほうが気兼ねなく使えるので良いと思います
さて、私の偏見でのマイク批評ですが、正直そんなに沢山のマイクを使ったわけじゃありません
いろいろ聴いてみたい方はYOUTUBEで検索したり、島村楽器のサイトで聞き比べやってますので、ご参考ください
https://info.shimamura.co.jp/digital/special/2017/10/117491
私が使ったのは、ライブハウスでよく見かけるマイクです
価格帯1~3万円くらいの売れ筋のマイクですね
シュア SM58、58Beta
ゼンハイザー e935、e945、e835s
AUDIX OM5
ベイヤーダイナミック TG-V70D
HEIL SOUND ( ヘイルサウンド ) PR35
EV エレクトロボイス ND478
周波数特性や感度なんかはスペック表で分かりますが、実際にそれが歌にどう影響するかは、実際に使わないと分からないと思います
何度も言いますが、私の声質で判断した個人的感想です
まず基本のSM58(ゴッパー)です。車で言えばカローラです
よく音が抜けないとか言われますが、私は抜けると思います
ただ、中音に重点を置いた音なんで、声質がモコモコしてる人は、高音が抜けないと感じるかもしれません
ちゃんと発声すれば高音も抜けるんですが、なんか汚い音になるような気がします。良い意味で言えばワイルドと言うか・・・私の歌い方のせい?
ファルセットなんかの空気感はあまり表現できません
細かい表現抜きでロック歌うなら十分
なによりPAさんが音を調整しやすいマイクなので、ライブで安心して使えます
Beta58AはSM58の高音域のパワーを上げた感じです
SM58よりも声に輝きが出て、ハイも余裕をもって抜ける感じ
しかし、2kHz~4kHzの美味しい帯域よりも、さらに上の8kHz~10kHzが出る感じなので、声がキンキンして中音に厚みがなかったです
ファルセットの空気感はまぁまぁ良いです
(これは実際に自分の声を録音して、周波数を分析して確かめました。テストしたのが5年くらい前。今も性能は同じかな?)
ゼンハイザーe935は使ってる人がけっこう多い
SM58からランクアップするならコレが万人にオススメできます
58Betaはキンキンの高音ですが、これはキンキンしない美味しい帯域に厚みがあり、中音~高音までバランスよく出ます(これも自分で録音して周波数を分析して確かめました)
ファルセットなどの空気感もしっかり拾います。下手なコンデンサマイク並みに音が良いです
ただし、キレイすぎてインパクトがないかも。ジャズや軽いPOPSなどの音楽ならバッチリだけど、ロックやメタルだと、、、ん~どうかな?
ゼンハイザーe945は、e935よりややパワーがありますが、ほとんど一緒です
音を拾う範囲がe935よりシビアなんで、ハウリングしにくい分、チョットでもマイクからズレると音が変わります
私は楽器を弾きながら歌うと顔がマイクからズレる事もあるので、このマイクは使いませんでした
しっかり口の正面にマイクを向けるようにすれば、かなり良いマイクです
ゼンハイザーe835s
これは安いマイクで価格的には1万円くらい
パワーも無いし、抜けも悪いしイマイチです。これならSM58を買ったほうが良いです
AUDIX OM5
某サイトでの評価が高いんで、期待して音を出してみたら・・・あれっ?て感じ
例えて言うなら、SM58のロー(低音)がスッポリと抜けた感じです
じゃあハイをよく拾ってるのかな?と思ったら、そうでもない
高音が抜けると言うより、ローが無いから相対的にハイが目立つ
ファルセットなどの空気感もイマイチ
声がモコモコして「こもりやすい」人には良いのかもしれませんが、全体的に軽い音しか出ないので、ハイトーンを出しても厚みがない
beyerdynamic(ベイヤーダイナミック) TG-V70D
これはあまり見かけないメーカーですが、個人的にかなり気に入ってます。ただし、扱い方が難しいマイクかもしれません
かな~りゲイン(ボリューム)が高く、感度が鋭いです。
声が小さい人にオススメですが、ハウリングも起こしやすいので、イコライザーでよけいな帯域を下げる必要があります(全体のボリュームを落としたらゲインの高い意味がないので注意)
このマイクは20Hzというボーカルに必要ない超低音まで拾います。なので、必要ない範囲の低音はミキサーでバッサリ下げます。高音も少し下げないとキンキン鳴ります。とにかく音がデカいマイクなんで
このマイクの良い所は、e935のように中音から高音まで拾って、さらに音圧とパンチがあることです
欠点としては値段が少し高いことです。私は新品1万5千円で買ったのですが、現在は2万3千円と値上がりしてます。あと、ボディが太くてマイクホルダーになかなか刺さりません。クリップ式のマイクホルダとかあると良いです
HEIL SOUND ( ヘイルサウンド ) PR35
これもゲイン(ボリューム)が高く、感度が鋭いマイクです
コンデンサーマイクなみに高域までキレイに出ます。
ファルセットのような細かい息使いも拾います。
上記のTG-V70Dと同様、イコライザで調整しないと高域がハウリングしそうです。
低域カットはスイッチで切り替え可能です。
値段が高いのが難点ですね(3万円弱)。あとボディが金属じゃなくゴムみたいな材質です。電気的な利点があってこのラバー材質にしてるらしいですが、経年劣化で色あせそう(メッキカラー仕様もあるが値段が高い)
EV エレクトロボイス ND478
そこそこボリュームが大きく、高域もしっかり出ます。
マイクの頭が潰れたような形になっており、そのぶんマイクカプセルと接近するので音が大きくなるらしいです。見た目と質感がイマイチですが、性能は良いです
これの後継のND96が気になります
自分なりに順位をつけると、
1位:TG-V70D 2位:PR35
どちらも値段が高いだけあって性能が良い。
TG-V70Dは低域~高音までパワーあり、とにかく音が太い。
PR35は高域が目立つパワーで、中音域はTG-V70Dには劣る(でも普通のマイクよりかなり太い音が出る)
3位:e935 4位:e945
2万円以下で買うなら万人にオススメ。普通の人なら十分すぎるクオリティ
e945は指向性が狭いので扱いが難しいが、そのぶんハウリングしにくい
5位:Beta58A 6位:ND478 7位:SM58
Beta58Aは「このスタンダードな形が好き」という人にオススメ
ND478もまぁまぁ良い音。後継のND96は試したことはないが、かなり良さげなので買うならND96
SM58は「細かい事は面倒」という人にオススメ
ちょっと問題なのが、マニアックなマイクをライブで使うと、PAさんが音のセッティングに戸惑う事があります
Beta58、ゼンハイザー、AUDIXはまだメジャーなので大丈夫ですが、ベイヤーダイナミックって言うと「何ですかそれ?」という反応が多いです
注意しなければいけないのが、シュアとゼンハイザーは偽物が多くあります
ネットで新品がやたら安い値段で売られているのは偽者の可能性大です
信用できるお店で購入しましょう