声のボリュームを上げるにはどうすればいい?

今回のまとめ
・ボリュームを上げるには、力よりも響きが大事
・響かせるには喉仏のコントロール
・適切な声帯振動を身につけよう


声のボリュームを出すには、どうすれば良いでしょうか?
まず、何で自分の声が小さいのか原因を考えます

まずは歌わないで、普通に大きな声が出るかやってみてください
すいませ~~ん!!生ビールまだですか!!
大きな口を開けて、100m先の店員を呼ぶつもりでお願いします

これでボリュームが出ない人は、声帯が枯れてハスキーボイスになってる?
又は、声がファルセットみたいに息がスカスカ抜けてる?
あるいは、極端に喉や口の響くスペースが小さい?など考えられます
店員を呼ぶときにボリュームが出る人は、大きな声を出せる土台はあるのに、歌うときに良い発声ができていない。ということです
ただし、歌でボリュームを上げる方法は、大声を出す方法とはチョット違います

ボリュームを決める要素
1、声帯がちゃんと振動してる?
2、音程に合わせた「喉仏の位置」と「口の開き方」が出来てる?
3、声が響くスペースを十分に確保できてる?


に関しては、適切に声帯が振動しているか?が要です
声帯振動を決める要素は、「声帯の閉鎖の加減」と「呼吸の量」です
声帯閉鎖って何?という方はこちらを読んでください
ファルセットみたいにスカスカと息が抜けてると閉鎖が弱すぎです
「あ゛~~」と苦しそうな声になってたら閉鎖が強すぎです
この2つは対象的なので、ボイトレの方向性は逆になります

閉鎖が弱すぎる人は地声で低音の練習をして、ボーカルフライなどで閉鎖を強くします(閉鎖の筋力を鍛える訳ではない。閉鎖して声を出すポジションを身につけるという事)

閉鎖が強すぎる人はリップロール練習がオススメです。詳しくは→こちら

あと、サビでは大きな声が出るけど、静かに歌う部分でボリュームが下がりすぎるのは、だいたい呼吸をしっかり吐かないからです
こちらの記事も参考にしてください→歌に強弱をつける方法

の音程に合わせた「喉仏の位置」と「口の開き方」は、その人の喉の構造によって変わってきます
例えば、「声質がまろやか」な人は、ボリュームは出ているのに声の輪郭がぼやけて聞こえづらい。というケースがあります
逆に、キャンキャンした軽い声は、輪郭はハッキリしてるけど厚みが無くて楽器の音に埋もれる。というケースもあります
これはどちらもボリュームじゃなくて音質の問題です
こういう場合は、喉仏や口の開き方を色々と変えてみて、一番音が響く(聞こえやすい)形を見つけるのです
例えば「まろやか声」の人は、口角を上げて歌うと声が明るくなります
「キャンキャン声」の人は、口を縦に広げると声がまろやかになります
ただし、口の形は発音のために動かす必要がありますので、一定の形で止めておくのは難しいです
そこで喉仏のコントロールが重要になります
喉仏をコントロールして音質を変化させる方法はこちらに詳しく書いてます
あと共鳴の原理については→こちら

の「声が響くスペース」、これは先天的な要素が大きいのですが、喉仏を下げて響くスペースを広げる事はできます
喉仏が上がってハイラリという状態になると、喉が締まって声のボリュームが出ません

ちょっと実験してみましょう
人を驚かすときに「ワッ!」と言いますよね
口を縦に開いて、少し顔を下に向けて、喉仏を下げてください。
その状態でオペラの低音みたいな声で「ワッ!」と言ってみてください。あるいは「オッ!」のほうが言いやすいかも
このとき「大声でボリュームを出している」んじゃなくて「響いてボリュームが出ている」感覚が分かりますか?
「うぎゃぁぁぁ!」みたいな声は大声でボリュームを出しています
「ワッ!」は「響き」でボリュームが出ています

今度はアゴを前に出して、天井を向いてください。志村けんの「アイ~ン」みたいな感じです。アゴを引いちゃダメですよ。アントニオ猪木のように前に出します
この状態で同じように「ワッ!」と言ってみてください。
今度は響きが弱くなって、ボリュームが小さくなりましたよね?
これがハイラリという状態で、喉仏が上がって響くスペースが小さくなってます
さらにハイラリになると、喉頭蓋という気管の入口のフタが閉まりやすくなり、声が出にくくなります

では再び、先ほどのオペラっぽい「響く喉の形」をとってください
何回か「オッ!オッ!」と声を出して、一番声を出しやすい音程を見つけます
その音程で「おおおお~」と声を伸ばしてみてください
オペラ歌手みたいな響きを感じますか?
次は「あああ~」「ううう~」です。響きを維持したまま発声します
「えええ~」「いいい~」は少し喉仏が上がりやすくなるので、ちゃんと喉仏を下げたまま発声します
これは声を響かせる練習なので、変な歌い方になっても問題ありません
「オペラみたいに歌え」という訳ではなく、喉仏をコントロールするための練習です
喉仏は極端に上がると良くないし、下げすぎも良くないです
適度な位置にあると、楽に声が響くようになります

まぁ、喉仏を動かすコツが掴めない人が多いんですけどね(><)
良いコントロールの方法が見つかったらまた書きます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です