革新的でもないのに新しいボイトレ用語を作るのやめて

実は私、ミックスボイスという言葉が嫌いです
なぜなら「ミックス」という言葉の解釈を誤解してしまう人がいるからです
2つの音を同時に出すの?とか勘違いしてる人もいます
できれば、ミックスボイスじゃなくて「地声と裏声の間ボイス」と言いたい。え?長い?
でもこういう言葉のほうが誤解が生まれないと思うんですよ

他にもヘッドボイスとかミドルボイスとか色々用語がありますが、もうこれ以上 抽象的なイメージで新しい言葉を作るのはやめてほしいです
最近ネットで、「ブ〇ーボイス」とか「レッ〇ボイス」とか意味不明のネーミングを付けてる人を見ました。なんじゃそりゃ(><)
普通に「地声」と「裏声」って言えば良いんじゃないの?

こういうのはボイトレに限らず、いろんな分野に見られます
例えば、ダイエット方法で「〇〇式」とか「〇〇するだけダイエット」とか、結局はカロリー制限と筋トレなんだから、たいそうな名前をつけないでほしい

まぁそれが「商売」なんですけどね。知識のない人はそういうのに群がります
例えば「きのこの山」の商品名を「シャンピニオン・モンターニュ(フランス語)」にして銀座で売ったら、たぶん1箱1000円くらいで売れるわけですよ
で、頭の良い人は気づくんです「これ・・・きのこの山じゃね?」って

よほど革新的で新しいことなら新ネーミングを付けても良いですけどね

片耳を塞いで歌うのは良いのか悪いのか?

今回のまとめ
・片耳を塞いで歌うのは軽度の音痴の改善に良い
・自分の声が良く聞こえると、声を張り上げなくなる
・デメリットは、楽器の音が聞こえにくくなる。自分の声が周りにどう聞こえているか分からなくなる
・理想は耳を塞がなくても、自分の声をよく拾うこと


自分の声があまり聞こえないとき、片耳を塞いで骨伝導の音を聞く。という方法があります
これは賛否両論あるのですが、場合によってありだと思ってます
両耳塞ぐと楽器の音が聞こえなくなるのでダメです。あと鼓膜に負担がかかるらしいです

片耳を塞ぐのは、軽度の音痴の改善に良い場合があります
音痴にも様々なタイプと段階があるのですが、たいていの人は「自分の声を聞きながら歌う」ことに慣れていません
片耳を塞ぐと自分の声がよく聞こえるので、音を取りやすくなります
実際、音痴の人がこの方法で改善されました

人によっては、「骨伝導の音を聞きながら歌うと、音程が下がる」という人がいるんですが、私がチューナーで実験した結果では、片耳を塞いでも音程は変わりませんでした
歌を録音して聞いてみても違和感はありませんでしたが、これは個人差があるかもしれません
周りの楽器の音が篭って聞こえてしまうと、その音に合わせて声の音程が下がる可能性はあります

次の利点は「声を張り上げて歌うクセが解消される」です
自分の声が聞こえないと、ボリュームが足りない気がして、どんどん大声を出してしまいます
骨導音で自分の声がしっかり聞こえれば、無理に大声を出す必要もありません

ただしデメリットもあります
1、楽器の音が聞こえにくくなる
2、片耳塞ぐのがクセになる
3、自分の声が周りにどう聞こえているのか分からなくなる
です
特に3が一番困るかもしれません
骨伝導ではキレイに聞こえているのに、録音してみたら変な歌い方になってた。なんて事もあります

こういう場合は、耳を塞がずに、自分の声がよく聞こえる環境を作ることです
かといってカラオケのマイクボリュームを上げすぎるのはダメです
オススメの練習は、カラオケに行ったらマイクを使わず「部屋の角の壁」に向かって歌う方法です。生の声が壁に反射して聞こえやすくなります。
他にも、音が反射する物を目の前に立てる方法もあります(プラスチック製のカラオケのメニューとか良いかもしれませんが、ちゃんと消毒しましょう)
耳の裏に手をあてる方法も良いです

最終的には、どんな環境でも音程を外さず、音質をコントロールできるのが理想です

自分の声を録音して聞いてみよう

今回のまとめ
・自分の歌を録音して具体的に何が悪いか考える
・上手く歌えたと思ったら保存する
・音程も良くなる

・他人にも意見を聞く
・録画すれば、さらに自分のクセが分かる

練習において絶対に必要なこと、それは自分の声を録音して聞くことです
ほとんどの人間は、自分の下手さに愕然とするでしょう
私もバンド練習やライブの録音を聞くと、窓から飛び降りて死にたくなります
(Θ_Θ)
しかし、これをやったほうが確実に上達します
まぁ練習しなくても元々上手い人もいますけどね(><)

自分の歌を録音して、安いスピーカーで再生するんです(ヘッドホンだと上手く聞こえるから)
で、自分の欠点を探します。単に「下手だなぁ」じゃなくて具体的に考えてください
例えば「音程が悪い」「苦しそう」「歌い方が平坦」「リズムが走ってる」とか
それを次回の練習で注意しながら歌います

「今回は上手く歌えた」と思ったら、それは消さないで保存しておきます
後になって、「あのとき上手く歌えたのに、歌い方を忘れちゃった」ということがあるからです
ただし、歌った日の夜は上手いと思ったのに、3日後に聞いたら下手だった。みたいな事が多々あります(笑)

下手な録音もできれば保存しときましょう。後で聞くと自分の成長が分かるし、反面教師になります

だんだん上手くなってきたら、プロのCDや、Youtubeの上手い人と比べてみましょう
すると、自分なんかまだまだ下手だなと実感します(笑)

音程も録音することで改善します
歌ってるときは音を外しても気づきにくいので、後で録音して聞いてみましょう
自分がどういう場所で音を外すか分かってきます
そうすると、今度は歌ってる最中に音を外した瞬間が分かるようになります
するとだんだんと音程が安定してきます

あとは、誰か友達に聞いてもらって、意見を聞くのも大事です
自分だけでは欠点が分からないことが多いです
ただし、世の中には間違ったボイトレ理論があふれているので、友達のアドバイスを真に受けないようにしましょう。あくまで「どう思うか」を聞くだけで十分です

さらに言えば、録音じゃなくてカメラで録画すると、さらに自分の悪いクセが分かったりします
例えば「肩が上下して呼吸が浅い」「アゴが前に出てハイラリになってる」など
特に喉仏の動きをズームして録画すると、いろいろ改善点が見つかるかもしれません

録音はスマホや安いICレコーダーで十分です
カラオケのエコーもOFFにて録音しましょう

3オクターブ出せると言っても、その中身が重要

ボイトレ本やYoutubeの動画を見てると、「あなたも3オクターブの音域が手に入る!」的なキャッチコピーをよく見かけます
確かに3オクターブ出せたら普通に歌うには十分です。っていうか2オクターブ半でも十分です
問題は、その3オクターブをどう出しているか?
地声から裏声までスムーズに繋げるか?です
一般的に、男性のほうが音域が広いらしいです(低音まで出せるから)

いくら高い声を出せるとしても「ギャァァァァ!」みたいな声だったり
「フォ~~~」みたいな完全な裏声だったり
クロちゃん(タレント)みたいな無理に作った女声だったり
あとは地声で苦しそうにハイトーン出して、急に裏声にひっくり返るとか
それで3オクターブ出せても意味がありません

音域を広げるよりも、よく使う音域の1オクターブ半をスムーズに自在に繋ぐ練習をしたほうが、はるかに実用的です

歌いにくければ素直にキーを下げよう

今回のまとめ
・無理に高いキーを歌っても悪いクセがつく
・キーを下げて歌ったほうが上手く聞こえるし、客もキー下げてることに案外気づかない
・低い声でもテクニックで上手く歌える

高い声を出すために、自分が歌えないキーの曲を無理に歌い続ける・・・
ほとんどの場合、良い結果になりません
声帯閉鎖に力を入れるクセがついて、ハイラリになるクセがついて、そのクセが抜けなくなって・・・みたいな悪循環になります

高い声を出す練習をするなら、地声からの積み重ねが必要です
それを飛ばしていきなり高い声を練習しても、悪い発声方法になる場合が多いです

例えば、「HiBの曲を限界ギリギリで歌う」のと「キーを下げてHiAで余裕をもって歌う」のでは、明らかに後者のほうが上手く聞こえます
しかもキー2つ下げてることなんか、周りは気づきはしません
プロでもライブでキー2つ下げるなんてザラです。客はほとんど気づきません
(さすがに1オクターブ下で歌ったのはズッコケましたが 笑)

苦しそうな声でHiBを「あ~~~~」と出すより、しっかりとした声でHiAを「あ~~~~」と出したほうが、高い声が出てるように聞こえるんです
絶対音感を持ってる人にはバレると思いますが、音程よりも音質のほうが重要だったりします
なので、喉仏のコントロールをして音質をコントロールすることが重要です

ただ、バンドをやってると原曲キーじゃないとダメな場合があります
そんな時は、高くて歌えない部分のメロディをいじって誤魔化せば良いんです。あとは客に歌わせるか(笑)

女性の曲を男性が歌うときは、キーを4つ以上は下げたほうが良いです
「高い声=良い声」ではありません
「低い声は上手く聞こえない」と考えるのは間違いです
低音でもファルセットは使えるわけですから、呼吸の量や感情表現を上手く使えば、とても良い歌い方になります