エンハンサー(エキサイター)というボーカル・エフェクター

今回はボイトレではなく音響知識のお話です

先日スペクトラムアナライザの記事を書いたときに、「倍音が含まれる声は良い声」と書きました
まぁ倍音が含まれていれば何でも良いって訳じゃないんですが、声が前に出るのは確かです
(倍音についてはこちらに詳しく書いてます)

今日はその倍音を人工的に作るエフェクトをご紹介します
主にエンハンサーと言われるエフェクターがそれにあたります
エキサイターと言う場合もあります

「もっさり」した声じゃなくて、ハッキリとした輝きのある声にするエフェクトです
ミキサーやステレオに付いてるようなイコライザーとは原理がチョット違います

イコライザー:特定の周波数のボリュームを上げ下げする
エンハンサー:元の音の倍音を作り出し、それを元の音と合成する

つまり、イコライザーは「元々ある音を増幅する
エンハンサーは「元々ない音を作り出す」という感じです
※エンハンサーをかけても声の「音程」が高くなる訳ではありません。「音質」がキラキラするだけです

エンハンサーはボーカルだけじゃなく、ギターやベースなどの楽器にかける場合もあります。例えばギターのカッティングを軽快にしたい。など

さらに、高音ではなく低音を増強するタイプもあります
これは「ローエンハンサー」や「サブハーモニック・シンセサイザー」と呼ばれます
ボーカルではなく、クラブミュージックのようにベースをドコドコ効かせたい場合に使います
PAの世界でエンハンサーと言うと、こちらの機材がメインになります

高音も低音も両方エンハンスできて、さらにリミッターで音圧を上げる「マキシマイザー」と呼ばれるものもあります
ちょっと紛らわしいのがステレオ・エンハンサーという物で、これは音質じゃなくて音の左右の広がりを出すエフェクターです

ちなみにこの「倍音を作り出す」っていうのも、いろんな方式があるみたいです
原理を簡単に説明すると、音をディストーションなどで歪ませると倍音が出ます
ディストーションをそのままかけたら「ジャキーン!」と汚い音になってしまいますが、その倍音(高域成分)の部分だけを抽出して、元の音と自然に合成する。みたいな原理です

で、ボーカルにかける場合は、パソコンのソフト(プラグイン)でかけることが多いです
つまりレコーディングした後に、音を加工するってことです
これは「エンハンサー VST」とか「エキサイター VST」で検索するとヒットすると思います

ライブで使うとしたら、エンハンサーを内臓したボーカル・エフェクターを使うのですが、現在2019年4月時点で私の知る限りBOSSのVE-20しかありません(追記:2020年に新発売されたZOOM V6ZOOM V3にエンハンス機能があるようです)
TC HELICONのエフェクターに「シェイプ」なんて機能がありましたが、たぶんアレはよけいな低音をカットするイコライザ的な機能と思われます
あまりボーカル用の商品でエンハンサーは無いんですね
BOSS EH-50にVOICEモードってのがありましたが、さすがに商品が古すぎる・・・

BOSS VE-20のエンハンサーは、コンプをONにしないとエンハンサーもONになりません
コンプで失われた高音をフォローするための機能のようです
コンプを最弱にしてエンハンサーを+2くらいにすると、けっこう声に明るさが出ます
しかし、やりすぎるとハウリングしやすくなるので注意です
ハウリングしやすくなるとボリューム自体がUPできなくなるので、そうなると本末転倒です
あまり音量を上げないアコースティックLIVEみたいな場面なら良いかもしれません

そもそもライブで声が前に出ない原因の1番は発声技術で、次はマイクの「性能」と「使い方」の問題です
エフェクトはこれらの基本的な問題を解決してから。という事になりますね
マイク性能や使い方について簡単に解説してます→こちら

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