自分の声を録音して聞いてみよう

今回のまとめ
・自分の歌を録音して具体的に何が悪いか考える
・上手く歌えたと思ったら保存する
・音程も良くなる

・他人にも意見を聞く
・録画すれば、さらに自分のクセが分かる

練習において絶対に必要なこと、それは自分の声を録音して聞くことです
ほとんどの人間は、自分の下手さに愕然とするでしょう
私もバンド練習やライブの録音を聞くと、窓から飛び降りて死にたくなります
(Θ_Θ)
しかし、これをやったほうが確実に上達します
まぁ練習しなくても元々上手い人もいますけどね(><)

自分の歌を録音して、安いスピーカーで再生するんです(ヘッドホンだと上手く聞こえるから)
で、自分の欠点を探します。単に「下手だなぁ」じゃなくて具体的に考えてください
例えば「音程が悪い」「苦しそう」「歌い方が平坦」「リズムが走ってる」とか
それを次回の練習で注意しながら歌います

「今回は上手く歌えた」と思ったら、それは消さないで保存しておきます
後になって、「あのとき上手く歌えたのに、歌い方を忘れちゃった」ということがあるからです
ただし、歌った日の夜は上手いと思ったのに、3日後に聞いたら下手だった。みたいな事が多々あります(笑)

下手な録音もできれば保存しときましょう。後で聞くと自分の成長が分かるし、反面教師になります

だんだん上手くなってきたら、プロのCDや、Youtubeの上手い人と比べてみましょう
すると、自分なんかまだまだ下手だなと実感します(笑)

音程も録音することで改善します
歌ってるときは音を外しても気づきにくいので、後で録音して聞いてみましょう
自分がどういう場所で音を外すか分かってきます
そうすると、今度は歌ってる最中に音を外した瞬間が分かるようになります
するとだんだんと音程が安定してきます

あとは、誰か友達に聞いてもらって、意見を聞くのも大事です
自分だけでは欠点が分からないことが多いです
ただし、世の中には間違ったボイトレ理論があふれているので、友達のアドバイスを真に受けないようにしましょう。あくまで「どう思うか」を聞くだけで十分です

さらに言えば、録音じゃなくてカメラで録画すると、さらに自分の悪いクセが分かったりします
例えば「肩が上下して呼吸が浅い」「アゴが前に出てハイラリになってる」など
特に喉仏の動きをズームして録画すると、いろいろ改善点が見つかるかもしれません

録音はスマホや安いICレコーダーで十分です
カラオケのエコーもOFFにて録音しましょう

3オクターブ出せると言っても、その中身が重要

ボイトレ本やYoutubeの動画を見てると、「あなたも3オクターブの音域が手に入る!」的なキャッチコピーをよく見かけます
確かに3オクターブ出せたら普通に歌うには十分です。っていうか2オクターブ半でも十分です
問題は、その3オクターブをどう出しているか?
地声から裏声までスムーズに繋げるか?です
一般的に、男性のほうが音域が広いらしいです(低音まで出せるから)

いくら高い声を出せるとしても「ギャァァァァ!」みたいな声だったり
「フォ~~~」みたいな完全な裏声だったり
クロちゃん(タレント)みたいな無理に作った女声だったり
あとは地声で苦しそうにハイトーン出して、急に裏声にひっくり返るとか
それで3オクターブ出せても意味がありません

音域を広げるよりも、よく使う音域の1オクターブ半をスムーズに自在に繋ぐ練習をしたほうが、はるかに実用的です

歌いにくければ素直にキーを下げよう

今回のまとめ
・無理に高いキーを歌っても悪いクセがつく
・キーを下げて歌ったほうが上手く聞こえるし、客もキー下げてることに案外気づかない
・低い声でもテクニックで上手く歌える

高い声を出すために、自分が歌えないキーの曲を無理に歌い続ける・・・
ほとんどの場合、良い結果になりません
声帯閉鎖に力を入れるクセがついて、ハイラリになるクセがついて、そのクセが抜けなくなって・・・みたいな悪循環になります

高い声を出す練習をするなら、地声からの積み重ねが必要です
それを飛ばしていきなり高い声を練習しても、悪い発声方法になる場合が多いです

例えば、「HiBの曲を限界ギリギリで歌う」のと「キーを下げてHiAで余裕をもって歌う」のでは、明らかに後者のほうが上手く聞こえます
しかもキー2つ下げてることなんか、周りは気づきはしません
プロでもライブでキー2つ下げるなんてザラです。客はほとんど気づきません
(さすがに1オクターブ下で歌ったのはズッコケましたが 笑)

苦しそうな声でHiBを「あ~~~~」と出すより、しっかりとした声でHiAを「あ~~~~」と出したほうが、高い声が出てるように聞こえるんです
絶対音感を持ってる人にはバレると思いますが、音程よりも音質のほうが重要だったりします
なので、喉仏のコントロールをして音質をコントロールすることが重要です

ただ、バンドをやってると原曲キーじゃないとダメな場合があります
そんな時は、高くて歌えない部分のメロディをいじって誤魔化せば良いんです。あとは客に歌わせるか(笑)

女性の曲を男性が歌うときは、キーを4つ以上は下げたほうが良いです
「高い声=良い声」ではありません
「低い声は上手く聞こえない」と考えるのは間違いです
低音でもファルセットは使えるわけですから、呼吸の量や感情表現を上手く使えば、とても良い歌い方になります

歌にダイナミクス(強弱)をつけて曲を盛り上げよう

前回のブログで、歌に感情表現を入れる方法を書きました
今回もバラードを歌うテクニックをご紹介します
それは歌のダイナミクス(強弱)のつけ方です

ダイナミクスとは「ダイナミックに(力強く)歌う」という意味ではありません
小さい声から大きな声までの差」がダイナミクスです
このが大きいと「ダイナミクスが大きい」という事です
なので、ずっと大きい声で歌っても「ダイナミクスが小さい」です
ずっと小さい声で歌っても「ダイナミクスが小さい」です

バラードは「最初は静かに歌ってサビで大きくなる」というのが定番です
あと、「1番のAメロ」よりも「2番のAメロ」の方が大きくなる傾向があります

ボリュームをパーセンテージで表すと
1番 Aメロ(50%)→Bメロ(60%)→サビ(80%)
2番 Aメロ(60%)→Bメロ(70%)→サビ(90%)
Cメロ(80%)→ラスト大サビ(100%)

曲によって違いますが、だいたいこんな感じですよね
エアロスミスのミスアシングなんかは最後にシャウトして120%くらい出してます

静かに歌うときは、大きく歌うときよりも息を吐く量が増えます
なぜなら声帯閉鎖が弱くなるからです。詳しくは→こちら
呼吸を少なくしてボリュームを下げるのではなく、声帯閉鎖を弱めたり、口の開きを小さくしたりして、ボリュームを下げる技術が必要です
呼吸を少なくすると「ボソボソ歌ってる」感じになります
なので、呼吸をしっかり吐くという意識は常に必要です。静かに歌う部分でも油断しないこと
特にAメロでコケると、「初対面の第一印象で失敗する」みたいな感じになって、後で挽回するのが大変になります
「俺はサビで大声を出せるからAメロはどうでもいい」とか考えないように

あとは、マイクとの距離である程度ダイナミクスを調整できますが、マイクの特性によってだいぶ変わってくるので難しいです
初心者は一定の距離で歌ったほうが無難かもしれません

バンドにおいて大事なのは、周りの楽器も曲の展開に合わせて強弱をつけることです
1番と2番ではドラムやベースの強さが変わったり、2番になったらキーボードが厚みのある音を入れてきたり、サビではギターがオーバードライブ入れたり・・・などなど
ボーカルもそれを聞いて、回りの楽器に合わせて強弱をつけるようにしましょう

【動画つき】歌に感情を込める方法

YouTubeに「歌に感情を込める方法」の動画をUPします
3回に分けてUPします。現在2回です

今回のまとめ
・声優や役者がセリフに感情を込めるのと方法は同じ
・感情によって顔の表情を変えるのも有効

・やりすぎは良くない
・歌い方にクセがある人は、まずそれを治す
・無声音を強めに出す方法もある

(無声音についての記事は→こちら

感情を込めるということは、ある意味で最も重要なことかもしれません
感情表現があるか無いかで、ただのカラオケになるか?それとも心に響くような歌になるか?の違いが出ます

感情表現というとビブラートとか思い浮かべるかもしれませんが、ちょっと違います
声優がセリフに感情を込めるのと同じ原理です

例えばアニメで「おかあさ~~~ん!」というセリフがあったとします
どんな感じでセリフを言うかは、場面によって違いますよね

お母さんが忘れ物をして呼び止めた?
お母さんに甘えたい?
お母さんが死にかけている?
お母さんに腹が立った?

などなど、状況によって言い方が変わります
喜怒哀楽を込めてセリフを言う、それを歌いながらやるだけです

こう言うと簡単なんですが、なかなか上手くできる人はいません
まずは歌わずに歌詞を朗読して、どうすれば感情表現できるか練習すると良いです
歌詞によっては平坦な内容もありますので、感情を込めやすい歌詞を選びましょう

ただし、感情を込めすぎるとウザくなってしまうので、ほどほどにしましょう
物語を語るように歌え」とよく言われます
主人公になると感情移入しすぎるんで、第三者の立場で語るってことですね

あとは、明るく歌いたいなら表情も明るく(^^)
悲しく歌いたいなら表情も悲しく(ToT)
顔の表情を変えると歌にも表情がつきやすいです


注意しなければいけないのが、歌にクセがあると感情表現が分かりにくくなります
例えばオペラや合唱みたいに「太い声」で歌うクセのある人
太い声で「せつない歌」を歌われても、心に響きません
さらに、オペラみたいに口をガバーッと開けると発音が不自然になり、自然にセリフを言うように歌えなくなります
逆のパターンで、口角を上げて歌うクセの人もいますが、何を歌っても「明るい声」になってしまいます
いくら喜怒哀楽を歌詞に込めても、クセで消されます

あとは滑舌のクセの問題です
例えば、外人が日本語を話すと
「私ぃはぁ アメェリカ じぃん でぇす」みたいになりますよね
こんなノリで日本語のバラードを歌うことです
「ん君ぃ~をぉ~抱ぁきぃしめっつぁぃ~~」みたいに
古い邦楽ロックの歌手がやってた歌い方ですね
これも感情表現が消されるし、妙にカッコつけてる感じがしますし、なにより昭和のにおいがします(笑)
アップテンポでリズムをつけたい時は、こういう歌い方もありなんですけどね)

「普通に喋るように歌う」ってのは、けっこう難しいものです
「歌はこう歌わなければいけない」みたいな固定概念がある人ほど苦手かもしれません
例えば「歌うときは口を大きく開けなければいけない」「喉仏は常に下げなければいけない」みたいなルールに拘りすぎる人です
まずはクセをとってニュートラルな状態に戻しましょう
歌い方のクセを直す方法は、こちらに色々書いてます



まぁどういう歌い方をするかは個人の自由ですけどね
カラオケは自分が気持ち良ければOKですし
ただし、ライブで人前でバラードを歌うとしたら、感情の表現がない歌を長々とやると客は飽きます
激しいロックなら勢い重視で感情なんて要りませんけど、アコギ弾き語りで平坦な歌い方だと、15分くらいで飽きちゃうと思います