音程を良くする方法

さて、音程を良くする方法、これは一番難しいかもしれません
なぜなら、単純に「声を出す」というのは「運動」で「アウトプット」です
声帯のコントロールも、喉仏のコントロールも、運動です

ところが音感というのは「感覚」です。「インプット」です
正確にインプットされた音に対して、正確にアウトプットできるか?
それが音程を良くする方法です
音痴にもインプットが悪い人と、アウトプットが悪い人がいます

ちなみに「ハイトーンが届かない」っていうのは音程の問題よりも、声の出し方の問題です
発声の状態が悪いと音程も安定しません。特に呼吸をちゃんと吐けてないとか
なので、音程の練習+発声状態を良くする。両方とも意識しましょう

音程を良くする方法は、いろんな人がいろんな方法を提唱していますが、どれも地道に時間をかけて矯正していく必要があります
今回は私が良いと思う方法をご紹介します
面倒くさくない方法から順にご説明します

カラオケの採点機能を使う
点数は気にしなくて良いので、音程バーからどう外れているのかを見ながら歌う
ガイドボーカル機能もあるが、たまに下手な歌が入っていることがある(笑)

自分の生声をよく聞きながら歌う
以前もご紹介しましたが、耳の裏に手を当てたり、壁に向かって歌うことで、自分の声を正確にモニターできます

自分の歌を録音して聞く
これも以前に書きました。歌ってる最中は音を外しても気づきにくいです
後で録音を聞くと、外れている部分がよく分かります。すると今度は歌ってる最中に外した瞬間が分かるようになります
録音を聞いても自分が音を外しているのが分からなければ、下記の練習が必要になると思います

スケール練習をする
ドレミファソファミレド~みたいなスケール練習をする
Youtubeに載ってるものでも十分(スケール ボイトレとかで検索)
ただし自分自身がズレているのに気づかない場合があるので、コレも録音して後でチェックする
できれば音感が良い人に聞いてもらうのが一番(ボイトレに行くと先生がスケール練習をやってくれる)

楽器とチューナーを買って、自分でスケール練習する
楽器はできればキーボードが良い(安物で十分)
チューナーはギター専用ではなく、声の音程も計れるやつを買う(3千円くらい)
ピアノで出した音を、声で出す、それがチューナーで合ってるか確認する
スケールも弾いてみる
あとはド・ミ・ソなどの和音を出して、その構成音を声で出してみる

っていうか、ここまで自分でやったらボイストレーニングの先生ですわ(笑)

昔、紅白にも出場した有名な先生にボイトレ受けたとき、「日本人はド~レ~ミ~のミが♭する傾向にあるんだけど、何でだろ?」と言われました
私は「たぶん日本の童謡が短調ばっかりだから、マイナースケールが染み付いているのでは?」と答えました
なので、明るい歌を聴いて、気分が明るくなれば、音程が良くなるかもしれません
(^^;)

ちなみに私が使ってるチューナーは
KORG TM-50という商品です。これに限らず正面に「MIC」という小さい穴が開いてれば、声の音程も測れるはずです(買う前によく確認してください)
歌の録音はスマホや安いICレコーダーでも十分ですが、バンドの大音量を録音するときは、ハンディレコーダーPCMレコーダーというチョット高い商品のほうがちゃんと録れます。まぁ1~2万円のもので十分です

スタジオのミキサーの使い方。ボーカル用

バンドでスタジオ練習する場合のボーカルのミキサーの使い方です
この記事の他にも、ライブでの注意点マイクの使い方。なども参考にしてください

ミキサーはいろんなメーカーがありますが、だいたい同じような構造です

基本的に分からない場合は、店員さんに聞きましょう
ここに書いてある以外の変なスイッチを押さないように

まずミキサーに繋ぐ前に、スピーカーにマイクを向けないようにマイクスタンドをセッティングしましょう。ハウリング防止です

以下の写真はボーカルが声を出すための簡単なセッティングです
最低限の設定なのでエフェクトの説明は省きます

こんな感じです。大きい画像は→こちら

まず電源スイッチはだいたい裏面にあるのですが、スタジオはONにしっぱなしの所が多いです

マイクを繋ぐ場所は一番上の黒い部分です
必ずボリュームを下げた状態でマイクを繋ぎましょう。でないと「ボン!」とスピーカーを痛める場合があります。抜くときも同様です

このミキサーには8個マイク端子があるので、どれでもOKです
マイクケーブルは両端ともXLR(キャノン)端子の物を使いましょう(普通はマイクもケーブルもスタジオに置いてあるので、自分で買う必要はありません)
↓下の写真のような、カラオケのマイクを繋ぐようなコードで「楽器用」のジャックに繋いではいけません。それだと音が小さくなって、さらに雑音が出ます

マイクケーブルの画像

マイクを繋いでからGAIN(ゲイン)のツマミを10時~12時(真ん中)くらいまで上げます。これが入力ボリュームで、上げすぎると音が割れます

ローカット」とか「Hi pass」とか「80Hz」とか「60Hz」とか書いてあったら、それはボーカルに不要な低音をカットするスイッチなのでONにしましょう
まぁ分からなかったら触らなくてもOKです。以下↓のイコライザーでも低音をカットできますので

イコライザー ボーカルに必要ない音域を下げてハウリングを防ぎます
Hiを少し下げます。これはスタジオの状態にもよるのですが、ボリューム上げてもハウリングしないなら真ん中(12時)でもOKです。下げすぎると声の輝きが失われるので、声を出して確認しながら絞っていきます
MIDは真ん中にしときましょう。本当はいろいろ設定できるのですが真ん中にしとけば間違いないです
LOはゼロにしましょう。ハウリング防止に効果的です

PANは左右どちらのスピーカーから音を出すか?です。通常は真ん中にしますが、例えば「片方から出したほうがハウリングしにくい」とか「メインボーカル以外のコーラスの声は片方から出したい」など、状況に合わせて変えることも出来ます

PANの下に、音をON/OFFするスイッチがあります
普通はONにすれば音が出るのですが、機種によってはコレが「ミュート(消音)」スイッチだったりします
ミュートスイッチの場合はONにすると音が消えますので、音を出すならOFFにする必要があります(テレビのリモコンの消音と同じです)

一番下の白いフェーダーを上げて、右下の赤いフェーダーも少しずつ上げます。これもボリュームです

Phantom(ファンタム)と書いてあるスイッチは、マイクケーブルに電流を流すスイッチなので、OFFにします
コンデンサーマイクを使う場合はONにしますが、普通のダイナミックマイクを使う場合はOFFです。スタジオ常設マイクは99%ダイナミックマイクなので、まぁだいたいOFFになってると思います

右側中央にあるグラフィック・イコライザは「まっすぐ」にするか、OFFにします
これが変な形にいじってあると、音のバランスが変になります

キーボードやmp3プレーヤーを繋ぐ端子は、L(左)とR(右)のステレオで入力できるようになってます。このミキサーの写真では1~6チャンネルがモノラルで、7~14は2個ずつペアのステレオになっています
例えば、1にメインボーカル、2にエレアコ、3にコーラス、4にコーラス、7/8にキーボード、11/12にmp3プレーヤー。みたいに使います

前に使った人間が変なセッティングにしてる場合もあるので、おかしいと思ったら店員に聞きましょう。年季のあるスタジオだと、たまに接触不良で壊れてる場合もあります

無料でスペクトラム・アナライザを使ってみよう

スペクトラム・アナライザー(略してスペアナ)を使うことで、自分の声を波形で見ることができます

「あ~~」と地声を出した波形

スペアナの機械を普通に買うと何万~何十万円の出費になりますが、パソコンやスマホアプリなら無料で使えます
そんなに高機能な機械は必要ないです

ま、これを使ったから歌が上手くなるわけではないのですが、自分の声がどの辺の周波数を中心に出てるかを見ると面白いかもしれません
ボーカルよりもPAが勉強する分野ですけどね

これで歌ってみると、100Hz以下や12kHz以上はほとんど歌に関係ないのが分かると思います(レコーディングの場合は12kHz以上の高音も録りますが、ライブやバンド練習では関係なし)
つまり、スタジオでバンド練習するときは、関係ない帯域を下げたほうがハウリングしにくくなります(詳しくは→こちら

他にもスペアナの使い道として、裏声や地声で波形がどう変わるか見る
「あ~い~う~え~お~」と声を出して波形の変化を見る
喉仏を動かして、ハイラリとロウラリでどう変わるか?
あとはマイクの性能の比較とか
自分の声にどんな倍音が含まれているか?とかですね

波形の写真で、一番左に出てる山が「基音」で、それに続いて出る山が「倍音」です
いわゆる良い声は「倍音を多く含む」と言われてます
まぁ「ギャァァ!」みたいな声も倍音含んでますから、結局は機械の波形では「良い声」「悪い声」の判断はなかなかつきません
あまり倍音どうこう気にせず、人間の耳で判断するのが一番良いです
倍音についてはこちらに詳しく書いてます

ちなみに以下の写真は裏声とデスボイスの波形です

裏声。山がハッキリと出ている。音はキレイだが地声のような厚みがない
デスボイス(仮声帯発声)山がノイズのようになっている

ライブで気をつけること。リハーサルとかMCとか

今日はボイトレの話ではなく、ライブをやる場合の注意点を書きます
この記事の他に、スタジオ練習でのミキサーの使い方マイクの使い方。なども参考にしてください

当たり前ですが、ライブをやる前に何回もスタジオでバンド練習しましょう
何度も練習すると「自分の声が聞こえないと歌いにくい」とか「キーボードの音が聞こえないと音程が取れない」とか、歌いにくい経験すると思います
その経験を踏まえて、ライブ現場リハーサルでは自分が歌いやすいよう音のバランスを調整します
まず大事なのが、ライブハウスには外音(そとおと)中音(なかおと)があります

外音:お客さんに向いてるスピーカーから出る音(お客が聞く音)
中音:ステージ内に向いてるスピーカーから出る音(演奏者が聞く音)

この写真を見てください

吉祥寺シルバーエレファントさん

↑ステージの床に台形の黒いスピーカーがあり、ステージ内側を向いてます
これがモニタースピーカー(通称:コロガシ、返し)で、演奏者が自分たちの演奏を聞くためのスピーカーです
ボーカルの前、ギタリストの前、ベースの前、ドラムの横、それぞれにスピーカーがあります(ライブハウスの規模によっては無い場合もある)

リハーサルで調整するのは、基本的にこの「中音」だと思ってください
外音はPAさんが適当に調整して出します
初心者のうちは外音はPAさんに任せて、口を出さない方が良いです

なので、ギタリストが「ベースの音を上げてください」というのは、客席へのベースの音を上げろという意味ではなく、「ギタリストの目の前にあるモニタースピーカーからベースの音をもっと出してくれ」という意味です。つまり「ベースの音が聞こえないとギターが弾きにくいんですよ」という事です。
なので「ベースの音を返しを上げてください」と言ったほうが誤解はないです
ライブ慣れしてる人だと「ベースください」と略して言います

ボーカルも自分の声が聞こえなかったら、「声の返し上げてください」と言います
他の楽器が聞こえなかったら「ギターの返しをください」とか「キーボードください」と言います。逆にうるさかったら下げてもらいます

例えばですが、「ボーカルにリバーブ(エコー)をかけてください」というのも、外音にリバーブをかけるんであって、中音にかける訳ではありません
中音にリバーブかけたら自分の声が聞き取りにくくなります
「PAさんにリバーブ頼んでるのに、何で中音にリバーブ聞こえないんだろう?」と思わないように
まぁ外音にリバーブかけるのも「ほどほど」にしないと、かえって声が引っ込んで客席に聞こえにくくなります

外音がどれぐらい出てるのかな~?と気になって、リハ中にステージの下に降りるのも構いませんが、あまり意味がないと思います
客が入ると音が吸収されて、リハと音が変わるからです
なので、外音はPAに任せて中音の調整に集中しましょう
中音は客が入っても変わりません(楽器陣がボリュームやアンプの位置を変えないかぎり)

リハーサルでは本番と同じボリュームで歌いましょう
で、本番さながらにステージの中を動いてください。なぜなら、特定の場所でハウリングする場合があるので、ステージ上を動いてハウリングしないか確認するためです

モニタースピーカーにマイクを向けるとハウリングします
例えば、間奏でボーカルがしゃがんで水飲んだりする時に、不注意でマイクをモニターに向けてしまう事があります。注意です
しゃがむならマイクはスタンドにかけた方が無難です

ギターやベースなどを弾きながら歌う場合は、基本的に同じ場所から動かないし、マイクもスタンドにかけたままになります
私がベースボーカルやキーボードボーカルやったときの経験ですが、自分の声が聞こえなくても何とか歌えますが、自分の楽器の音が聞こえないとヤバイです。手が止まりそうになります
リハではちゃんと聞こえていたのに、本番でドラムがテンション上がってボリュームが上がり、ドラムの音で何も聞こえなくなる。という事があります
なので、ドラムも他の楽器も、本番と同じボリュームを出すようにしましょう
リハだから軽く叩く。なんて事をしないように

リハの時間をちゃんと守るようにしましょう
持ち時間を過ぎてもダラダラとやってるバンドがあります
リハは練習する時間ではなく、あくまで音を調整する時間です
スムーズに進行できるように、リハでどの曲のどの部分を演奏するのか決めておきましょう

ライブが始まったら、暴れるのは良いですが機材を壊さないようにしましょう
マイクをブンブン回したり、モニターの上に立ったりはNG(頑丈な柵に立つのはOK)
ひどい人間になるとドラムにダイブ。アンプを投げる。マイクにギターをゴリゴリとこすりつける。なんて野郎もいます(自前の機材ならOK)

最後に少しMCの話をします
私の個人的な意見なんですが、ライブに慣れてない人は、変にウケを狙うのはやめましょう。用意したネタはだいたい滑ります(笑)
自然体でトークすることが一番です
とりあえず当たり障りのないセリフを言えば十分で、大事なのは演奏です
どうしてもトークでウケを狙いたいなら、パッパッパッと話を繋ぐこと
例えば・・・

悪い例
「今日ね~、ここに来る間に、すごい不運なことがあったんですよ、何があったと思います?鳥のフンですよ!鳥のフンが頭に落ちてきたんです。ひどいでしょ?どうですか皆さん?」

・・・ここで客の反応が薄いと、シーンと寒い空気が流れます(Θ_Θ)

良い例
「今日ここに来る途中に鳥のフンを頭にくらっちゃってテンション下がりました。まぁこの後は静かな曲だけだから大丈夫です。んじゃ次の曲いきます、X JAPANの紅」

みたいな感じです・・・え?つまんないって?
いやいや、ネタがつまんないのは別に構わないんですよ
大事なのは「客が笑っても笑わなくても、関係なく話を進めていく」ってことなんです
悪い例は「ここで客が笑うだろう」という前提で話を進めて「悪い間(ま)」があるんですよ
良い例は「たとえ客が笑わなくてもポンポンと話が進んで、次の曲が始まって、シーンと静まりかえる間が無い」って事です

難しいですよね、MCで笑いを取るって。私も修行中です

自宅で簡易防音室を使ってみた感想

「Very-Q」と「だんぼっちトール(改造版)」のレビュー動画です
ヘッドホンで大きめのボリュームで聞くと分かりやすいです
上がVery-Q、下が改造だんぼっちです

防音性能の詳しいレビューは、Youtubeの動画のコメントを読んでください
性能的には、改造だんぼっち>Very-Q>ノーマルだんぼっち、です
「ノーマルだんぼっち」は防音性能が低いです
Very-Qのほうが簡単に組み立てできて、使わないときは分解して収納できるから便利だと思いました
だんぼっちにブ厚い吸音材を貼ると、Very-Q以上の性能になるんですけどね

カラオケで練習すると3時間1000円くらいですよね
安いところなら午前3時間600円とかありますが
自宅で時間を気にせずに歌えるのは便利です

簡易防音室の欠点は、中が暑いんです
だんぼっちなら換気扇が付いてますが、それでも暑いです
真冬でも中がポカポカしてきます
たまにドア開けて扇風機で換気しながら使ってます

レコーディングするとしたら、ノーマルだんぼっちは音が反響するんで、中に吸音材を貼らないとダメです
あと湿気が篭るんで、高いコンデンサーマイクを長時間使うのは怖いです

ただ勘違いしちゃいけないのが「大声を出さないと練習にならない」という思い込みです(そう思ってる時期が私にもありました・・・)
声帯閉鎖のコントロールなんかは、普通の声でも十分です
建物にもよりますが、風呂場なんかでも練習できるんじゃないかな~と思います
レオパレスなんかはダメでしょうけどね(><)