ボーカリストなら誰でも「憧れる歌手」がいると思います
私の場合はJourneyのスティーブ・ペリーとかでしょうか
ハイトーン出してるのに聞き苦しくならず心地良い
スティーブン・タイラー、ブライアン・アダムス、リッチー・コッツェンのようなハスキーボイスも憧れますが、あまりに自分とキャラが違うと目指す気も起きません
マイケル・ジャクソンとかも好きですが、まぁ異次元すぎますな
ボンジョビとかチェスター・ベニントンとか、他にもあげたらキリがありません
この人たちが何で良い歌を歌えるかって、テクニックって言うより「そういう声を持って生まれたから」なんですよね
スティーブン・タイラーは歌ってるときもインタビューのときも同じ声です
ワンオクロックのTAKAも、普段からあの声なわけですよ
私は歌をコピーする前に、その人が普通に喋ってるときの声を聞くんですが、みなさん地声がすでに素敵なんですよね
たとえ私が同じテクニックで歌っても、ああはならない訳です
あきらめろ、と言うわけじゃありませんよ
プロの真似をするよりも、まず自分の歌い方を確立したほうがいい。ということです
発声技術も身につかないうちに、自分の限界を超えたハイトーン挑戦したり、基本を身につけずプロのテイスト(クセ)だけを真似しても、練習にはならないということです
基本からコツコツとやっていけば、もしかしたらいつか憧れの歌手のように歌えるかもしれないですからね。桜木花道のようにコツコツと頑張りましょう
投稿者「sAitO」のアーカイブ
【ダイエット話】カロリーが高いものは何でおいしいか?
たまにはボイトレ以外のことも書きます
甘いお菓子や脂肪が多い食べ物は、なぜ美味しいのでしょうか?
単純な話ですが、それが身体にとって必要だからです
現代は食物がいくらでも手に入りますが、ほんの100年前まではギリギリの食生活だったわけです(アフリカや北朝鮮は今でも食糧難ですが)
人間はカロリーを取らないと生きていけません
細胞の活動にエネルギーが必要だからです。エネルギーが尽きると死にます
人間の身体にはグリコーゲン(糖)というエネルギーが肝臓や筋肉に蓄えられていますが、蓄えたグリコーゲンは1日で枯渇します
赤血球や肝臓はグリコーゲンなしでは活動できません
ところが人間は脂肪や筋肉を分解して、糖(エネルギー)を生み出すことができます
これのおかげで、水さえあれば理論上2~3ヶ月生きられるそうです(ただし相当に健康は害する)
脂肪って素晴らしいですよね
もしアナタがいま食糧難の時代にタイムスリップしたらどうしますか?
甘い物や脂身を食べて身体にエネルギーを蓄積するでしょう?
糖分や脂肪を悪者扱いするのは裕福な現代人の価値観であって、昔の時代には当てはまらないのです
生命の進化の歴史が何十億年とあって、その間に飢餓でも生き残れるように進化した人間・・・で、つい100年前くらい前まで食糧難だったわけです
そりゃ糖分や脂肪を身体が求めても当たり前です
DNAが優先することは、「生き残る」「戦う」「子孫を残す」これだけです
「健康に長生きする」なんて事は優先されません
糖尿病、高脂血症、痛風・・・そんなのDNAにはどうでもいいんです
「不健康になっても良いから、とにかく生きるために飢餓に備える」ってのがDNAに刻まれた命令です
だから「身体が求めるものは健康に良い」みたいな理論も間違ってます
恵まれた時代になっても、人間の身体は食糧難時代のままなんですね
【動画付】喉仏と口で音質をコントロールする
動画を追加しました
前回の記事の続きになります。今回は実践的な話です
喉仏と口の動きで音質をコントロールする話です
このブログで何度も書いてますが、音質とは音程ではありません
簡単に言えば、声が明るいか暗いかという事です
喉仏
上げると高音が強調、下げると低音が強調
上げると明瞭な声、下げると「まろやか」声
上げすぎると苦しそうに聞こえる、下げると余裕を感じる
上げすぎると喉頭蓋が閉じて喉が絞まる(ハイ・ラリンクス)
下げすぎても不自然な発声(オペラみたい)になる(ロウ・ラリンクス)
口の形
横に広げると高音が強調、縦に広げる(唇を伸ばす)と低音が強調
横に広げると明瞭な声、縦に広げる(唇を伸ばす)と「まろやか」声
大きく開けたほうがボリュームが出るが、音程によっては開けすぎると音がボヤケる場合がある
そもそも口は発音するために動かなければならないので、大きく開けたままキープすると滑舌が変になってしまう(これもオペラみたいになってしまう)
私的には喉仏のポジションのほうが重要だと思うので、口は自然な形にして、喉仏中心で音質調整します
舌の位置
舌が前に出ると明瞭な声、後ろに下がると「まろやか」声
ただし、舌が音質に与える影響は小さいですし、言葉を発音するのに一定の形をキープするのは不可能なので、あまり気にしないでOKです
あと鼻腔共鳴や軟口蓋はほぼ無視してOKです→詳しくはこちら
これらをどうコントロールするかは個人の自由です
その人の持っている元々の声質にもよるし、どういうジャンルを歌うかにもよります
私の場合は地声がハイラリぎみなので、喉仏は中間のまま動かさないようにしてます
裏声は「ハイラリぎみ&口は大きく開かない」ほうがキレイに響きます
ベルティング(地声に近い強いハイトーン)はハイラリにならないよう、喉仏をガッチリ下げるようにしてます
ところが、喉仏を動かせない人がけっこういます
特に女性に多いですが、男性にもいます
ハミングで振動の位置を上から下と変えてみる練習が良いかもしれません
ちなみにボイトレで言う「声の方向」とは、たいてい喉仏のコントロールのことを言っています
喉仏を上げると喉の響くスペースが狭くなり、口腔に主に響く
すると口腔の振動が鼻まで伝わり、声が前に飛んでる感じがする
逆に喉仏を下げると、喉に響くので、声が奥で響く感じがする
言葉ができるしくみ。詰まりやすい歌詞をスムーズにする
今回もマニアックで難しい内容です・・・
今回のまとめ
・言葉によって、声の出しやすさが変わる
・高い声が出しにくい言葉もある。例えば「い」など
・フォルマントを理解することで、喉が絞まりやすい歌詞もスムーズに歌うことができる
「発声の仕組み」でも書きましたが、声帯は「ブー」というオナラみたいな音しか出せません。詳しくは→こちら
あいうえお・かきくけこ・・・と発音できるのは喉・舌・口などの働きです
じゃあ何で「ブー」が「言葉」に変わるかと言うと、口や舌の動きで「特定の周波数」が変化するからです(音声フィルタリング)
コンピュータの「ブー」という音でも、周波数を変化させることで人間の声を合成できます。初音ミクなどのボーカロイドや、テキスト読み上げソフトに応用されます
「あいうえお」の母音がどう決まるかは、「口の開く大きさ」と「舌の位置(前後)」で決まります
何やら難しい表ですね
まず「a,i,u,e,o」と書いてある文字に注目してください。これは母音です
横軸は「口の開き加減」で、右に行くほど口が大きく開いて、周波数も高くなる
縦軸は「舌の位置(前後)」で、上に行くほど舌が前に出て、周波数が高くなる
つまり、「あ」は口を大きく開く。「い」「う」は口を小さく
「お」は舌が後ろに行く。「い」「え」は舌が前に行く
ということです
追記:「お」は他の母音と比べて周波数が低いが、「お~」と声を録音して、パソコンなどで音程を上げても、「あ~」や「い~」に変わるわけではない。
母音を決めているのは音(周波数)の高さではなく、各帯域の周波数がどういう比率になっているかです
さて、歌の話をします
前にも書きましたが、共鳴で変化するのは音質であって、音程は変化しません
高い声を出すなら、共鳴ではなく声帯の「ブー」の音を高くする必要があります
しかし、高い声を出しにくい言葉があります。例えば「い」という言葉です
これは、「い」の発音をするための共鳴腔の形が、声帯振動に影響してしまうという事(らしい)です
「い」がハイトーンで苦しくなる曲。GReeeeN:愛唄
ただ泣いて~笑って~過ごす君にぃ~ 隣にぃ立って~ いれる事でぇ~
原曲キーだと男性には苦しい曲です
改善方法です
口をあまり横に広げないで「い」と発音してみてください
それだけで楽になると思います
「い」という音は、舌が天井に付いてれば「い」と聞こえます
口の形は「あ」「う」「お」でも、舌が天井に付いてると「い」の音を出せるので、楽に高音を出せる形を見つけてください
あるいは、「い」を微妙に「ひぃ」とか「うぃ」と発音してみてください
例えば
「いれる事でぇ~」を
「ひぃれる事でぇ~」とか「うぃれる事でぇ~」
などと歌うと、ハイトーンを歌いやすい場合があります
で、その歌いやすい感覚を身につけたら、ちゃんと「い」に戻して歌ってください
歌いにくい母音を誤魔化すのがクセにならないよう注意です
もし歌いにくい曲に出会ったら、歌詞を全部「ララララ~」や「ママママ~」や「にゃにゃにゃ~」にして歌ってみてください
ララララ~で歌えるのに、歌詞にすると歌えないのは、「い」「う」などの詰まりやすい言葉を上手く処理できないのかもしれません
自分で作詞するときは、こういうのも考えて作りたいですね
歌詞が歌いやすい曲は爽快感があります。逆にハイトーンで歌いにくい母音が出るとストレスが溜まります・・・(ちなみにX JAPANは歌いにくい母音が多い気がします^^;)
追記記事
アゴをあまり開かない方がハイトーンが出やすい?
無声音とは何か?
筋トレはボイトレに効果あるか?腹横筋の話
筋トレはボイトレに効果があるのか?
結論を先に言うと、ほとんどありません
ボイトレやりながらジムで筋トレして、2年で12キロ筋肉を増やした私が言うんだから間違いありません(^^;)
まぁ体幹(胴体)は筋力あったほうが良いですけど、胸とか肩とかの筋肉は発声には関係しません
声帯の周りの筋肉はパワーは必要ありません。それよりも「自在に動かせるか?」「緻密な調整ができるか?」が重要です
あえて歌のために筋トレするとしたら、息を吐くための筋肉を鍛えると良いでしょう
一番は腹横筋(ふくおうきん)、あと腹筋、腹斜筋です
※腹式呼吸の記事でも解説しましたが、パワーで大量の息を吐く訳ではありません。一定の量を安定して吐くための筋肉です。腹式呼吸の詳しくは→こちら
腹横筋はインナーマッスルで、腹筋の内側にあります
腹筋は身体の正面だけですが、腹横筋は腹から背中までグルッと1周してます
ボイトレで「背中を意識する」ってのは、この腹横筋のことです
「歌うには背中の筋肉が大事」とか言われますが、背骨に付着する脊柱起立筋や、肩甲骨の間の菱形筋なんかは、たいして歌に関係ありません
やたらと背中を意識して筋肉に力を入れる人もいますが、無駄に疲れて自然な声が出なくなります。詳しくは→歌うときの姿勢について
腹横筋の構造を頭に入れて、よけいな部分に力を入れないようにします
歌うときは、息を吐きながら少しずつウエスト全体が絞られるような感じです
正面だけじゃなく、側面~腰あたりまで絞る感じです
くれぐれも無駄に力を入れる必要はありません。必要最低限で絞れば十分です
身体の正面の「腹筋」にやたら力を入れて、ボディブローに耐えるような状態で歌うのは間違いです
それは息を吐くのに関係ない力の入れ方だからです
ボディブローに耐えてる時って、力をグッと入れて外側を固くしてるだけで、内部は絞られてません。なので腹圧はあまり変化しません
正しくは、腹を軽く凹ませて、ウエスト全体を細く絞って、腹圧を上げるのです
腹筋よりも腹横筋が大事なんですが、そこまでガチガチに鍛える必要はないです
リップロールが安定して出来るくらいの「吐く力」があれば十分です
ただし・・・デスボイス(仮声帯発声)をやるとしたら、初心者のうちは息を吐くパワーが必要になるかもしれません(慣れるとデスボイスもパワー不要になる)
まぁ普通の人はハードコアやデスメタルなんて歌う機会は無いと思うので、筋トレは頑張り過ぎなくて良いと思われます