整数次倍音・非整数次倍音での声質の変化

さて、今日は「倍音」と「声質」についての話です
以前スペクトラム・アナライザーエンハンサーの記事で、「倍音(ばいおん)」の話をしました

倍音というのは、元の基音に重なるようにして、その音より高い周波数の音が出ることです
例えばA3の音程を「あ~~」と出したとき
2倍の周波数の2倍音(1オクターブ上のA4)
3倍音(A4の上のE5)
4倍音(さらにその上のA5)
さらに5倍音6倍音・・・と次々と重なって音が出ることです
整数の倍音が出てるので「整数次倍音」と言います

こんな話をすると「すげぇ!どうやったら倍音を出せるんですか?」と言う人もいますが、普通に声を出すだけで倍音は出ます
人間の声は元々倍音が含まれいます
倍音がない音は「プー」とか「ピー」という電子音になります

裏声よりも地声のほうが倍音は多く出ます
以下の画像は330Hzの音を地声と裏声で出した波形です
普通に「あ~~」と声を出しただけです

どちらの波形も330が基本になって、その倍の660、990、1320、1650と倍音の山が出てますが、裏声は倍音の山が小さくなってますね
これが地声と裏声の声の厚みの差です

さて、次の波形を見てください
同じ330Hzの地声ですが、喉仏を極端に下げて声を出してます

同じ地声なのに、4つ目の山から極端に小さくなってますね
これは喉仏を極端に下げて、共鳴を低音重視にしたため、高域が削られたのです
(音程は330Hzのままで、音質だけが変わる)
330Hz~1KHz(1000Hz)までの周波数はよく出てますが、1K以降の音が弱くなってます(ちなみにパワーあるハイトーンを出すなら1K~4Kの帯域が超重要)

喉仏の上げ&下げ、どっちが悪いという事ではなくて、曲によって音質を使い分けようという事です
合唱を歌うときや、まろやかにバラードを歌いたいなら喉仏を下げ
明るい曲でハイトーン効かせたいなら、喉仏を普通の位置、もしくは少し上げたポジションにすると良いです(喉仏のコントロールは→こちら
ちなみに、ハイトーンを出すために極端に喉仏を上げるのは良くないです
中音が抜けたスカスカの声になって、ショボいハイトーンになります

で、その人の喉の太さや長さによって、どの周波数がよく響くかが変わってきます
太くて長い人は低域が響くし、細くて短い人は高域です
あとは、声帯の振動(声帯閉鎖)が地声寄りなら倍音が多くなり、裏声寄りなら倍音は少なくなる
ただし、必ずしも「倍音を多く出す=良い声」になる訳ではありませんし、「高域が強く出る喉=良い声」ではないので注意が必要です

さて、ここまでが整数次倍音の話で、次が非整数次倍音の話です
非整数次倍音とは、上記の写真のようにキレイに整数倍で山が出る事ではなく、細かいギザギザの山が出ることです
「倍音」よりも「ノイズ」と言ったほうが分かりやすいです
いわゆるハスキーボイスや、ガラガラ&ザラザラした声の人が、これに該当します

ノイズを最高に出す歌い方は仮声帯発声(デスボイス)です
(デスボイスの出し方は、こちらに詳しく書いてます)
普通の地声とデスボイスの波形の違いを見てみましょう

地声はちゃんと整数倍の山が200、400、600、800・・・とキレイに出てます
デスボイスの波形は、なんとなく山は分かりますが、整数の山の間に「ギザギザの山」が出てますよね
これが非整数次倍音と言われてるのですが、簡単に言えばノイズです
デスボイスは音程をつけるのが難しいです。なぜなら音の山が潰れて、何の音か判別しにくくなるからです

これだけノイズが出ると、普通の歌には使えない「悪い声」になるのですが、少量のノイズならカッコイイ声になるんです
私の好きなスティーブ・ペリーやワンオクのTakaなんかは、整数の倍音を出しつつ、ハスキーなノイズも少し混じっています
逆に、B’zの稲葉なんかは整数倍の倍音が強く、ノイズが無くパワフルな感じ
Takaはパワーはほどほどで、ノイズが少し混じった「味」がある感じ
歌手によって個性があるんですね

ちなみに私の声は、地声に近い声でハイトーンを出すので整数倍の倍音が強く、ハスキー要素も無いのでノイズが少ないです
なので、B’zの曲を歌うとハマるのですが、ワンオクをそのまま歌うとダメです
ワンオクは地声パワーを弱め、ノイズ混じりで歌う必要があるんですが・・・難しいのなんの(><)研究中です

話が長くなったので、次回に「非整数次倍音の歌手」や「ノイズを混ぜて歌う方法」について書きます

【動画つき】歌い方のクセを直す方法

動画を追加しました

「この人は歌が上手いな」と感じるのは、どういう要素があるのでしょうか?
音程が完璧に合っている?それともビブラートが上手い?
いろんな要素がありますが、音程だけが合っていても上手に聴こえる訳ではありません
カラオケで高得点が出てるんだけど、なんかイマイチだな・・・と感じたことはありませんか?
カラオケの場合は、変なクセで歌っても高得点が出ちゃう場合があります

今日はその「音程は合ってるのに、変なクセのせいで上手く聴こえない歌」についての話です
クセは人によって様々なんですが、私が今まで聴いた中から分かりやすい例をあげます

合唱(オペラ)クセ
外人滑舌クセ
ビジュアル系クセ
演歌クセ
叫びクセ
感情込めすぎクセ
ハイラリ クセ
玉置浩二 クセ(笑)

AIKOクセ

合唱クセ
「私の~お墓の前で泣かないでください~♪」的なノリで全ての曲を歌う人
口を縦に大きく開けて、軟口蓋を上げて・・・などの古い合唱のルールが身体に染み付いているパターン

外人滑舌クセ
「私ぃはぁ アメェリカ じぃん でぇす」みたいな滑舌で歌う人
「ん君ぃ~をぉ~抱ぁきぃしめっつぁぃ~~」みたいに
アップテンポでリズミカルな曲ならOKだが、日本語のバラードでコレをやると良くない
もしかして英語の発音はちゃんと出来るのかな?と思ったら、そうでもない(^^;)

ビジュアル系クセ
河村隆一のモノマネみたいになるパターン
開鼻音で鼻に過剰に共鳴させて歌う(河村隆一の曲を歌うならOKですけどね 笑)

演歌クセ
大げさな演歌のような歌いまわし
ビブラートというか「こぶし」になっている

叫びクセ
ボリュームが大きければ良いと勘違いしてるパターン
サビで叫ぶなら良いんですが、Aメロから全力で入る人とか

感情込めすぎクセ
過剰な感情表現でウザくなるパターン
正しい感情表現はこちらを参考に

ハイラリ クセ
喉仏を上げて歌うクセ。B’zやミスチル好きに多い
素人がコレをやると喉が絞まって声が細くなる

玉置浩二 クセ
大げさに抑揚をつけたり、自然じゃない独特の歌い回しをするパターン
素人がやっても変な感じになる
バッキングの演奏と抑揚がシンクロしないと、ボーカルだけ妙に浮く

AIKOクセ
AIKOの歌い方ならOKなのだが、AIKOのクセを過剰にしたようなパターン
細い地声で、少し鼻に声が漏れる感じ。女性にたまにいる

などなど・・・たくさんあってキリがないです
何でこんなクセがつくかと言うと、「歌はこういうモンだ」という思い込みと、「好きな歌手を真似したい」という憧れです
あと、ボイトレで変な事を教えられて、それを頑固に守る人や、自己流のボイトレで変な方向に行ってしまった人ですね

ロックやポップスは「歌=個性」なんで、クセも全部が悪いとは言いません
上記のアーティストは、クセ(個性)があるから人気がある人もいます
しかし、歌唱技術が未熟なままプロのクセだけを真似すると、悪習慣がついて変な歌い方になります
プロが正しい歌い方をしてるとは限らないのです

クセを直して、ニュートラルな歌い方にするだけで、聴こえ方がガラッと変わります
逆にクセを直さないと、いくら音程が良くても上手く聴こえません
細かい音程も大事ですが「他人が聴いて気持ちの良い声」が出てることが重要です


ちなみに、歌に感情表現を入れる方法でも書きましたが、変なクセがあると感情表現が分かりにくくなります
まずニュートラルな状態を作って、そこに感情表現を入れていったほうが良いです
クセを直さないまま感情表現を入れると、さらにクセが強くなる場合があります

ではどうやってクセを改善するかと言うと、歌詞を歌わずに朗読してください
普通に喋るときの声で朗読します。で、その滑舌のまま歌います
口を大きく開けたり、喉仏を動かす必要はありません

選曲は日本語のバラードが良いです。アップテンポな曲だとリズムに合わせようとして滑舌が変わってしまうので
極端にキーが高い曲はダメです。楽に出せるキーで歌ってください。なぜならハイトーンを「普段の自然な喉の形」で歌うのは難しいからです(上級者になると出来る)
最初はとにかく簡単な曲で練習してください。なんなら童謡でも構いません
ボリュームは下がっても構いません

たぶん修正するのに苦労すると思います
クセのある人は、「その形」じゃないと歌えなくなってます
例えば「口を大きく開けないと歌えない」とか「叫ばないとボリュームが出ない」などです
「普段喋ってる感じで、そのまま歌う」のは、実は難しいのです

そもそも発声の基本である「呼吸」や「声帯閉鎖の加減」を上手くコントロールできないと、変なクセも出やすいです
いきなりプロみたいな歌い方を真似するのではなく、基本からコツコツやりましょう

あとは、自分の歌を録音して聴いてみる事が大事です
歌っているときは分からなくても、第三者の視点なら気づくことが沢山あります

楽器を弾きながら歌うコツ。ベースボーカル

今回は楽器を弾きながら歌うコツです
ギターボーカルは簡単だと思うんで、ベース・ボーカルの話をします

ギターでコードストロークしながら歌う場合は、歌とタイミングが一致してるんで、そんなに混乱する事はないと思います

ベースの場合は、歌とベースのタイミングが一致しない場合があります
「ベースライン」と「歌」の2つのメロディを同時にこなす必要があります

当たり前の話ですが、「ベースかボーカル片方ずつなら完璧にできる」が大前提です
どっちもマトモに出来ないのに両方同時にやるのは無謀です
特にベースは「何も考えなくても指が動くレベル」まで練習曲を弾き込みます

練習方法としては、「テンポを落として、少しずつ歌とベースのタイミングを合わせる」という地道な方法しかありません
で、そのタイミングを合わせる際、「どういう意識でやるか?」が大事になります

皆さんは楽器を弾きながら歌うとき、「楽器に歌のタイミングを合わせるイメージ」ですか?それとも「歌に楽器のタイミングを合わせるイメージ」ですか?
私の場合、ベースボーカルは「歌に楽器のタイミングを合わせるイメージ」で演奏することが多いです

歌いながらダンスを踊るときって「歌に振り付けのタイミングを合わせる」ってイメージじゃないでしょうか?
例えば「恋ダンス」なるものが流行りましたよね

い~なみ 街が暮れたら ~ろめ
赤字部分は、手を前に振るタイミング
青字部分は、手を横に広げる
緑字部分は、手を上、下に振る

さて、このダンスを歌いながら踊ってみてください
その時に、頭の中でどう処理しますか?

歌詞の「い~なみ」の「」「」のタイミングで手を前に振る。という意識か?

それとも、手を前に振るタイミングにあわせて「い~となみの」と歌うのか?

おそらく前者のほうが踊りやすいですよね?

ベースボーカルもこんな感じで、歌詞のどの部分で何の音を出すのか?という意識で練習します
歌に合わせて指をダンスさせると思ってください。恋ダンスならぬ指ダンス

逆に「ベースに歌を合わせよう」とすると難しいと思います(私の場合ですが)
ただし、曲によってはベースに歌を合わせたほうが分かりやすい部分もあります
例えば、歌の始まる半拍前にベースラインの頭がある場合。歌より前にベースの頭が鳴るので、歌のタイミングにベースを合わせるという意識ができません
(追記:実はこういう場合はコツがありまして、半拍前のベースに合わせて頭の中で「ん」と歌うんです。声には出さず頭の中だけで。そうすると「ん」のタイミングに合わせてベースを弾くという意識で脳内処理できる)

具体的な練習方法
コピーしたい曲をパソコンでスロー再生しながら、ゆっくり練習します
歌詞カードを用意して、どの言葉を発するタイミングで、ベースのどの音を出すか?を書き込んでいきます
例えばコレは私が練習の時に使った歌詞カードですが、赤の点がベースの弦を弾くタイミング、白丸がミュートのタイミングです。
できればコード名も書いたほうが良いと思います

かなり適当な書き込みですが・・・ Rush – Spirit Of The Radio

スコアがあるなら歌詞とベースの縦のラインを確認しましょう
歌詞のどの部分で、どのベース音を出すか確認します
曲のMIDIデータ(デジタル楽譜)があると、DTMソフト(楽譜再生ソフト)で読み込んで「目と耳」同時にタイミングを確認できるので、コピーしやすくなります

こうやって紙に書いて、視覚的に頭に入れるのが有効です
音の感覚だけで覚えてると、次の日に忘れてることがあります
忘れると最初からコピーし直しになります
最初は根気がいりますが、こうやって何曲もコピーしていると、だんだんと慣れてきます

あと究極の話、歌は間違っちゃいけませんが、ベースは多少アレンジしてもバレません
まぁ私は歌のタイミングも場合によっちゃズラします(^^;)無理に難しい事に挑戦してミスるより良いかと思います
どうしてもタイミングが合わせづらい箇所があったら、影響ない範囲でアレンジしちゃいましょう

あとアコギで一人で弾き語りする時も、「歌にギターを合わせる意識」のほうが、リズムが走らないと思います
緊張すると、ギターのストロークがシャカシャカと速くなりがちです
速くなったギターに歌を合わせると、どんどんテンポが速くなります
「ゆっくり歌って、歌にギターのタイミングを合わせる」という意識だと、テンポが走りにくいです

最後に、私がバンドでコピーしてるRushの動画を載せておきます
ベースボーカルのゲディ・リーは「複雑なベースラインを弾きながらハイトーンで歌って、時々キーボードも弾きながら、足でフット鍵盤を操作する」という、すき家従業員なみのワンオペをこなします
プログレシッブ・ロックにはベースボーカルが多いですね

音程を良くする方法

さて、音程を良くする方法、これは一番難しいかもしれません
なぜなら、単純に「声を出す」というのは「運動」で「アウトプット」です
声帯のコントロールも、喉仏のコントロールも、運動です

ところが音感というのは「感覚」です。「インプット」です
正確にインプットされた音に対して、正確にアウトプットできるか?
それが音程を良くする方法です
音痴にもインプットが悪い人と、アウトプットが悪い人がいます

ちなみに「ハイトーンが届かない」っていうのは音程の問題よりも、声の出し方の問題です
発声の状態が悪いと音程も安定しません。特に呼吸をちゃんと吐けてないとか
なので、音程の練習+発声状態を良くする。両方とも意識しましょう

音程を良くする方法は、いろんな人がいろんな方法を提唱していますが、どれも地道に時間をかけて矯正していく必要があります
今回は私が良いと思う方法をご紹介します
面倒くさくない方法から順にご説明します

カラオケの採点機能を使う
点数は気にしなくて良いので、音程バーからどう外れているのかを見ながら歌う
ガイドボーカル機能もあるが、たまに下手な歌が入っていることがある(笑)

自分の生声をよく聞きながら歌う
以前もご紹介しましたが、耳の裏に手を当てたり、壁に向かって歌うことで、自分の声を正確にモニターできます

自分の歌を録音して聞く
これも以前に書きました。歌ってる最中は音を外しても気づきにくいです
後で録音を聞くと、外れている部分がよく分かります。すると今度は歌ってる最中に外した瞬間が分かるようになります
録音を聞いても自分が音を外しているのが分からなければ、下記の練習が必要になると思います

スケール練習をする
ドレミファソファミレド~みたいなスケール練習をする
Youtubeに載ってるものでも十分(スケール ボイトレとかで検索)
ただし自分自身がズレているのに気づかない場合があるので、コレも録音して後でチェックする
できれば音感が良い人に聞いてもらうのが一番(ボイトレに行くと先生がスケール練習をやってくれる)

楽器とチューナーを買って、自分でスケール練習する
楽器はできればキーボードが良い(安物で十分)
チューナーはギター専用ではなく、声の音程も計れるやつを買う(3千円くらい)
ピアノで出した音を、声で出す、それがチューナーで合ってるか確認する
スケールも弾いてみる
あとはド・ミ・ソなどの和音を出して、その構成音を声で出してみる

っていうか、ここまで自分でやったらボイストレーニングの先生ですわ(笑)

昔、紅白にも出場した有名な先生にボイトレ受けたとき、「日本人はド~レ~ミ~のミが♭する傾向にあるんだけど、何でだろ?」と言われました
私は「たぶん日本の童謡が短調ばっかりだから、マイナースケールが染み付いているのでは?」と答えました
なので、明るい歌を聴いて、気分が明るくなれば、音程が良くなるかもしれません
(^^;)

ちなみに私が使ってるチューナーは
KORG TM-50という商品です。これに限らず正面に「MIC」という小さい穴が開いてれば、声の音程も測れるはずです(買う前によく確認してください)
歌の録音はスマホや安いICレコーダーでも十分ですが、バンドの大音量を録音するときは、ハンディレコーダーPCMレコーダーというチョット高い商品のほうがちゃんと録れます。まぁ1~2万円のもので十分です

スタジオのミキサーの使い方。ボーカル用

バンドでスタジオ練習する場合のボーカルのミキサーの使い方です
この記事の他にも、ライブでの注意点マイクの使い方。なども参考にしてください

ミキサーはいろんなメーカーがありますが、だいたい同じような構造です

基本的に分からない場合は、店員さんに聞きましょう
ここに書いてある以外の変なスイッチを押さないように

まずミキサーに繋ぐ前に、スピーカーにマイクを向けないようにマイクスタンドをセッティングしましょう。ハウリング防止です

以下の写真はボーカルが声を出すための簡単なセッティングです
最低限の設定なのでエフェクトの説明は省きます

こんな感じです。大きい画像は→こちら

まず電源スイッチはだいたい裏面にあるのですが、スタジオはONにしっぱなしの所が多いです

マイクを繋ぐ場所は一番上の黒い部分です
必ずボリュームを下げた状態でマイクを繋ぎましょう。でないと「ボン!」とスピーカーを痛める場合があります。抜くときも同様です

このミキサーには8個マイク端子があるので、どれでもOKです
マイクケーブルは両端ともXLR(キャノン)端子の物を使いましょう(普通はマイクもケーブルもスタジオに置いてあるので、自分で買う必要はありません)
↓下の写真のような、カラオケのマイクを繋ぐようなコードで「楽器用」のジャックに繋いではいけません。それだと音が小さくなって、さらに雑音が出ます

マイクケーブルの画像

マイクを繋いでからGAIN(ゲイン)のツマミを10時~12時(真ん中)くらいまで上げます。これが入力ボリュームで、上げすぎると音が割れます

ローカット」とか「Hi pass」とか「80Hz」とか「60Hz」とか書いてあったら、それはボーカルに不要な低音をカットするスイッチなのでONにしましょう
まぁ分からなかったら触らなくてもOKです。以下↓のイコライザーでも低音をカットできますので

イコライザー ボーカルに必要ない音域を下げてハウリングを防ぎます
Hiを少し下げます。これはスタジオの状態にもよるのですが、ボリューム上げてもハウリングしないなら真ん中(12時)でもOKです。下げすぎると声の輝きが失われるので、声を出して確認しながら絞っていきます
MIDは真ん中にしときましょう。本当はいろいろ設定できるのですが真ん中にしとけば間違いないです
LOはゼロにしましょう。ハウリング防止に効果的です

PANは左右どちらのスピーカーから音を出すか?です。通常は真ん中にしますが、例えば「片方から出したほうがハウリングしにくい」とか「メインボーカル以外のコーラスの声は片方から出したい」など、状況に合わせて変えることも出来ます

PANの下に、音をON/OFFするスイッチがあります
普通はONにすれば音が出るのですが、機種によってはコレが「ミュート(消音)」スイッチだったりします
ミュートスイッチの場合はONにすると音が消えますので、音を出すならOFFにする必要があります(テレビのリモコンの消音と同じです)

一番下の白いフェーダーを上げて、右下の赤いフェーダーも少しずつ上げます。これもボリュームです

Phantom(ファンタム)と書いてあるスイッチは、マイクケーブルに電流を流すスイッチなので、OFFにします
コンデンサーマイクを使う場合はONにしますが、普通のダイナミックマイクを使う場合はOFFです。スタジオ常設マイクは99%ダイナミックマイクなので、まぁだいたいOFFになってると思います

右側中央にあるグラフィック・イコライザは「まっすぐ」にするか、OFFにします
これが変な形にいじってあると、音のバランスが変になります

キーボードやmp3プレーヤーを繋ぐ端子は、L(左)とR(右)のステレオで入力できるようになってます。このミキサーの写真では1~6チャンネルがモノラルで、7~14は2個ずつペアのステレオになっています
例えば、1にメインボーカル、2にエレアコ、3にコーラス、4にコーラス、7/8にキーボード、11/12にmp3プレーヤー。みたいに使います

前に使った人間が変なセッティングにしてる場合もあるので、おかしいと思ったら店員に聞きましょう。年季のあるスタジオだと、たまに接触不良で壊れてる場合もあります